郡山ゴルフ倶楽部 | ゴルフ場探訪記 in 福島

ゴルフ場探訪記 in 福島

震災と原発事故で大きな打撃を受けた福島県のゴルフ場、様々な歩みを体験リポートする。


郡山ゴルフ倶楽部

福島県郡山市の西部にある。東北自動車道の郡山南ICから車で5分でアクセスがいい。
郡山ゴルフ倶楽部のキャッチフレーズは「変化に富んだ丘陵コースが挑戦意欲をかきたてる」だ。設計者は杉本英世、国内12勝、海外3勝し、杉本はスケールの大きさから「ビッグスギ」の愛称もある往年の名選手。赤松の林に囲まれた丘陵コースでだが、微妙な傾斜があり戦略性が高いという。

郡山ゴルフ倶楽部1
郡山ゴルフ倶楽部は1974年に開場、福島県内でも比較的早くできたゴルフ場である。しかし、2010年に経営する株式会社山田が民事再生法の適用を申請した。預託金の返還に対応できなくなったというのが申し立ての要因であった。

現在は高瀬物産の100%子会社、郡山観光が事業を引き継いでいる。高瀬物産は栃木県や茨城県、新潟県に4コースを持っており、郡山ゴルフ倶楽部は5つ目。

郡山ゴルフクラブ2
2013年12月16日 肌寒い日だった。それでもこの時期としては穏やかである。ティーグランドに立つと、いつもながら、ゴルフとは自然と闘い、地形、大地との知恵比べであることを実感させられる。

松林が多く、フェアウエーに林がせり出しているホールがある。
落とし場所を頭の中に描いて立ち向かわないと、こんなはずではなかったというような局面が待っている。
せり出した樹木でショットのラインがさえぎられてしまうのだ。
フェアウエーに置くことが出来ても安心はできない。気の抜けないホールが続く。
こういった時の寒さはきつい。手先がかじかんでショットにも微妙な狂いが出てくる。曲がるとOBゾーンがやけに近い。

巨匠と粋人はこのコースが求めてくる正確さに対応できずに余裕がなくなってくる。いろいろ考えると傷はますます深くなる。ゴルフとはあれもこれもしようと思うスポーツではない、きっとシンプルなものだと言い聞かせてみたがままならない。
とりわけ、グリーンとその周りは難関だ。傾斜きつい、アプローチも
気を許すとボールはどこまでも走っていく。イメージをつかんだつもりが
蜃気楼だったと思うしかない。

そんなわがままなグリーンを名人は見事に攻略、入らないであろうという予測を見事に裏切って見せた。

郡山ゴルフクラブ3

この日、巨匠と名人は大接戦であった。常に接戦を意識する素晴らしいパートナーだ。

ただこんな名言もある。「最も素晴らしいパートナーというのは、自分より少々下手な人である。」と。


自然と向き合ったこの日の結論は、ゴルフとは目を奪うようなナイスショットをするよりは、ミスを減らし、いつか訪れる幸運を願うスポーツであるということだった。