1995年の法令改正により、大型自動二輪免許が自動車学校で取得できるようになり、地元の自動車学校でも大型二輪免許コースがスタートしました。小学生の頃からの夢である大型バイクのライダーになるために、私は、自宅近くの自動車学校に通い始めました。

教習を始めてみて知ったのは、中型と大型は、違う乗り物だということでした。パワーと重量が怖いと感じる反面、大型バイクを操る喜びは想像以上に楽しいものでした。

教習は、何の問題もなくスムーズに進み、免許もすぐに取得することができました。でも費用の問題もあって、すぐには大型バイクを買うことができませんでした。DR250Rもまだまだ手放すには惜しいほどの愛着がありました。

 

大型二輪免許を取得して1年ほど経ったある日、尾骨の辺りに激痛が走って、起き上がれなくなり、入院しました。

医師からは、退院してもバイクには乗らないようにと言われ、退院後には通勤用にジムニーを買い、駐車場のDRにはカバーを掛けたまま乗らなくなってしまいました。

そんな中、自転車の修理のため訪れた店で、シルバーウィングを見かけました。スクーターの幅広のゆったりしたシートであれば、尾骨痛再発の心配もないかも知れない、またDRは、他のオーナーの元に行けば、まだまだ活躍できるはずと考え、買い替えを決意しました。

 

RMX、DRでお世話になった親切なスズキのショップはすでに閉店していたので、私はレッドバロンで買い替えることにしました。

レッドバロンにシルバーウィングを引き取りに行って、店から家まで乗った時の緊張感は今も忘れられません。

それまでは、250ccのオフロードという軽量バイクばかり乗り継いできましたが、レッドバロンの店員が言った「シルバーウィングは、その辺を走ってる250ccスクーターとは一線を隔します、これは大型バイクです」という言葉は本当でした。

店を出た直後は、あまりの重さでふらつきましたが、低い重心とトルクフルかつ滑らかなエンジンでアクセルを開けるだけでグングン加速していくビッグスクーターの感覚が新鮮でした。
クラッチが無いためエンジンブレーキが使えないのと、ニーグリップが出来ないということで最初はコーナーが怖かったのですが、スクーター独特の「リア加重」を意識すると中々のコーナーリング性能が味わえます。
また加速は、出力の全てを最高時速の160km/h(くらい?)で使い切る設定ということと、ギアチェンジ不要でアクセルを開けるだけなので、スタートダッシュと中間加速は、スポーツバイクをカモるほどでした。
また、二人乗りは、快適で、子供たちも後ろに乗って出かけるのが大好きでした。

 

うちの双子が乗っかってるところです。


車重があるので、家の駐車場から出すときは一苦労でしたが、走り出してしまえば乗りやすく、またシート下には荷物もいっぱい積めて便利で、私はシルバーウィングがとても気に入りました。ツーリングもワインディングも楽チンな大型バイクでした。

でも、慣れてくるとその楽チンさに、だんだん物足りなさを感じるようになってきました。

そんな中、オイル交換のために訪れたレッドバロンで、大型オフロードバイクを見てしまい、私の移り気な性格もあって、買い替えてしまうことになりました。

 

シルバーウィングに乗ったのは、ほんの1年数か月でしたが、本当によくできた大型スクーターだったと思います。

 

終わり