~行動範囲を広げてくれた原付スクーター スズキ蘭~

 

 

これまで、私が所有してきた車(四輪車)について、つらつらと書き綴ってきたのですが、そういえば、私はバイクも大好きで、今まで何台か所有してきました。

車の紹介が終わりましたので、続いて自分がオーナーになったバイクの愛車遍歴をスタートしたいと思います。

 

私が初めて買った自分のバイクは、原付スクーターの「スズキ蘭」でした。

私が高校生だった1980年代は、大学入試が終わった高校生は、自動車免許を取得するために、公認自動車学校や教習所に通いだすというのが一般的でした。また、1月中に私立大学進学が決まったほとんどの生徒は、自動車免許の前に、まず原付免許を取りにいきました。私は、国公立大学を受ける予定がなかったので、私立大合格後すぐに原付免許を取得しました。この頃は、「3無い運動」とか言う制度があり、高校生は免許を取れないという学校との約束がありましたが、私の高校では、進路が決まった3年生の免許取得は黙認されていました。

 

原付免許を手に入れた私は、どんな原付バイクを買うかの検討を始めたのですが、この当時は、第2次バイクブームの真っ只中で、バイク入門車種である原付バイクも、各社豊富なラインナップを揃えていました。ホンダのスーパーカブの他、DAXなどのクラッチ付きの本格バイク、スズキハスラーを代表とするオフロードバイク等多数の選択肢があったのですが、ほとんどの高校生は、スクーターを買っていました。

人気があったのは、ホンダタクト、ヤマハJOG、高級なモデルは、ホンダリードやスペイシーなどですが、私は、原付スクーターには(たかが原付には)、カッコよさとかパワーとか、まして大きさなどは一切求めず、小さくて軽くて柔らかいデザインを求めました。その結果、発売して間もないこのスズキ蘭を選びました。

(画像はスズキのページからお借りしました)

蘭は、花の名前で、このスクーターは、どちらかと言えば女性をターゲットとしたスクーターでした。カラーはパールホワイトペイントで、当時のスクーターは、ほとんどの車種がソリッドカラーか樹脂にペイントを練り込んだだけだったので、このパールホワイトペイントはとてもきれいに見えました。

 

で、このスクーター蘭ですが、これに乗るまでは、どこに行くのもほとんど自転車で、体力と時間が必要だったのが、エンジン付きで自転車の倍以上の速度で移動できる自分専用の移動手段ができたことで、行動範囲が広がり、色んな場所へ行けるようになったことを覚えています。

アルバイトに行くのも、友達とキャンプに行くのにも、そして彼女との待ち合わせ場所にもこのスクーターに乗っていきました。

蘭に乗っていたのは、大学卒業までの4年間ほどでしたが、大学2年生で車を手に入れてからは、蘭にはほとんど乗ることもなくなったので、総走行距離は10,000kmを少し超えた程度でした。

 

大学卒業後2年目で結婚して、千葉へ引越してから何度目かの帰省をしたときに、実家の物置小屋の中の蘭が無くなっていることに気付きました。親に尋ねると、誰も乗らないので処分したと言われ、とても寂しく感じました。

 

今はどんな原付スクーターが発売されているのか知りませんが、バイクに興味があって、これからライダーになろうかと思っている人は、まずは原付スクーターから始めてみることをお勧めします。それは、バイクは、その速度域とパワーの違いで、見える景色も楽しみ方も違うからです。そしてそれは、遅いものから始めて速いものへ移行した方が楽しいはずだからです。

そういう意味で、原付スクーターは、立派なバイクカテゴリーの一つだと思います。

 

蘭、青春の思い出がいっぱいの良いスクーターでした。

 

おわり