愛車遍歴シリーズもこのスカイラインで一旦終了かと思います。

 

私にとって14台目の車は、日産V37スカイライン400Rです。

愛車遍歴10~12で紹介した、12年間保有した愛車、ランチア・デルタⅢの後継として選んだ車で、私が今まで保有した車の中では、最大排気量(3,000cc)、最高出力(405ps)そして初めての6気筒エンジンの車です。

 

なぜ、このV37スカイライン400RをデルタⅢの次の車に選んだのか。

それは、デルタⅢの後継車は、デルタⅢを凌ぐ車でなければ、我が家のファーストカーにはなりえないと思ったからです。

とくに、パワー(数値ではなく、フィーリング)と内装、車全体の佇まいは重要な要素になりました。

スカイラインは、数ある車の中でこれらの点をクリアしており、また日産独自の様々な技術が注ぎ込まれた、今手に入る最高の車だと考え、これを選びました。

 

少し長いですが、スカイラインに決めたいきさつをお話しします。

 

デルタⅢの買い替えを決意して、最初に私が向かったディーラーは、メルセデスベンツでした。

そのディーラーには、デルタⅢで行きました。何人もいた店員は、私や他の客がいる前では、私が乗ってきたランチアには関心のないフリをしていましたが、私がデルタⅢから離れると、一人の店員がデルタⅢに近づくのがショーウィンドーに映りました。すると他の店員たちもデルタⅢに近づいて、デルタⅢを囲んで車内を覗きこんでいました(笑)。(これは、後から気付いたのですが、どのディーラーの店員も、他社の車にはわざと無関心なフリをするみたいです。そして、一人が近づくと、何人も寄ってきます。)

 

私に付いたベテランと思しき担当者に、「あまりサイズが大きくない車が見たい」と伝えると、展示していたCクラスセダンとCLAワゴンを見せてくれました。車内に乗り込んでみると、無機質な黒い革の内装が重苦しく感じました。メーターやナビ、その他の装備は、日本人が好きそうなギミックが溢れていました。デルタⅢオーナーの私には、ベンツのデザインセンスは心に響きませんでした。華(はな)が無いと思いました。

担当者の説明を聞き流していた時、建物の玄関にでかいクーペが重低音を響かせて入ってきました。下りてきたのは、派手な赤いアロハと白いひざ丈ズボン、レンズの小さいサングラスをかけた60代くらいのちょいワル気取りのおっさんでした。「おい、オイル交換な!」と大声で言って、店の奥のソファにドカッと腰をおろして、スマホをいじり始めました。

何とも言えずその光景を眺めていると、次は玄関に赤いオープンが入ってきました。

下りてきたのは、映画でしか見たことのないような白い大きな帽子と派手な黄色い花柄のワンピースのご婦人でした。なんか、車の機能について尋ねていました。

客層に問題あり…

ディーラーの雰囲気というのは大事です。もう、私のベンツに対する興味は消え失せていました。

 

その翌月には、BMWのディーラーへ行きました。

客層はベンツよりマシでしたが、最近のBMWのデザイン路線は、私には受入れ難いものでした。それと価格設定があまりにも割高に感じます。

やめておきました。

他のドイツ車(VW、アウディ、MINI)やフランス車(シトロエン、プジョー、ルノー)には全く食指が動きませんでした。

その数か月後には、三菱やマツダにも行きましたが、ダメでした。(ロードスターだけは気になりましたが…。)レクサスにも興味が湧きませんでした。

そしてハイラックスを買った、トヨタディーラーへも行きました。ちょうど新型クラウン(SUV型)が売り出された直後で、カタログくらいはもらおうと思っていました。

店の前には、新型クラウンの実物が置いてありました。

店員が誰も寄って来ないので、勝手にドアを開けて、運転席や後部席に座ったりしました。後部座席の座り心地はさすがクラウンです。でも少し圧迫感を感じました。

若い店員が近づいてきました。

「クラウン、いいでしょ! 今なら3か月ほどで納車できますよ!」と、その言葉と言い方で、クラウンは落選しました。

でも、試乗できるとのことなので、乗ってみました。

良い車でした。

ただ、4気筒のエンジンフィーリングが雑なところが気になりました。

試乗車のエンジンは、NA2.5Lの4気筒でした。そして出力は180馬力ほどというごく普通のエンジン。スポーツモデルは、2.4Lターボなのですが、これも4気筒で、大した馬力もありません。トヨタのハイブリッド車のパワーは、モーターに頼っているようです。エンジンに車の魅力を感じる私には、クラウンのエンジンは古臭く、そのために車が割高な印象が残りました。クラウンに4気筒は似合いません。

見た車がみんな落選で、私には、候補車がもう思いつきませんでした。

 

つづく