さぁ、死について考えよう。

怖い?
悲しい?
寂しい?
それとも嬉しい?

そりゃぁ怖いよね
誰だって逃げたいもの

でも、そんなに恐れるものかな?
畏れることはあっても
恐れることではないと思う

死を目前に、何を考える?
「あぁ、あれもしたい」
「あの人に会いたい」
「これが食べたい」
「あれになりたい」

時間はあたかも無限かのように思えるから
いつだって怠惰に動き考え感じ
有限の時を過ごす価値は見出せなくなる

全てをやりきって全てを生き抜いた人は
きっと
目前に迫る死を
眠りのように受け入れるだろう
真冬にもぐり込むベッドの
心地いい暖かさを感じながら

人生の最期を飾るのは死
それはきっと自分の人生に
なくてはならない過程
それを終えて初めて自分の物語は終わる
それを終えて初めて自分という人間が
輪郭を持つ

怖いと思うな
嫌だと思うな
自分の今後数十年の時を犠牲にして
死んだ者もいる

生まれた時から死に向かって歩いている
人間はあらゆる種族の中で唯一
死について考えられる種
いつだって死は横に在りながら生きている

自分の人生の終わり方はどんなものか、
想いを馳せながら歩いていくのも悪くない。