暦の見方


【二十四節気】

季節が変化するのは、地球が自転軸を23.4°傾けたまま公転する事が原因です。


逆に言えば、地球が好転軌道上のどの位置にいるかによって、季節がわかる事になります。


冬至、夏至、春分、秋分はその代表的な例ですが、より細分化した二十四個の目印のことを二十四節気あるいは二十四気といいます。


二十四節気はその瞬間を指すこともあれば、そこから始まる期間を指すこともあります。


二十四節気は奇数番目と偶数番目の2つのグループに分けることができます。


冬至・夏至・春分・秋分を含む偶数番目のグループは「中気」あるいは「中」といいます。

暦面上では雨水は「正月中」のように「◯月中」と表記されます。


立春・立夏・立秋・立冬を含む奇数番目のグループは節気あるいは節といいます。

暦面上では立春は正月節のように◯月節と表記されます。


二十四節気は2016年にユネスコの無形文化遺産に登録されています。


2022年2月4日(立春)に行われた北京冬季五輪開会式では、カウントダウンに二十四節気を用いていましたね。



【暑さ・寒さと二十四節気の関係】


立春・立夏・立秋・立冬をまとめて四立といいます。これらはそれぞれ季節の始まりを表します。


こよみの上では春と言えば立春、この日を境に小寒や大寒の寒中見舞いから余寒見舞いへ変わります。


こよみの上では秋といえば立秋、この日を境に小暑や大暑の暑中見舞いから残暑見舞いへ変わります。


立春は小寒・大寒の直後、立秋は小暑・大暑のちょくごであり、寒さ・暑さの峠をこえたとはいえ、まだまだ寒い日・厚い日が続くのは当然です。

この点、そもそも現代とは季節の捉え方が異なるといえるでしょう。


冬至・夏至・春分・秋分をまとめて「ニ至ニ分(にしにぶん)といいます。


暑さ寒さも彼岸までといいますが、彼岸の中日=春分の日・秋分の日となっています。


立春は冬至と春分の中間

立夏は春分と夏至の中間

立秋は夏至と秋分の中間

立冬は秋分と冬至の中間


にあたります。


気温の変動は場所によっても時代によっても[*1]違いがあります。


二十四節気は古代の中国北方で成立した概念であり、必ずしも現代の日本の気候にあった表現になっているとは限りません。


西安では暑中・寒中にはっきりとした気温のピークが見られます。


【こよみの上での二十四節気】


二十四節気は季節変化を表す指標=太陽暦の要素です。


太陽暦では毎年ほぼ同じ月日になります。

詳しく見れば毎年6時間ほどの変動はありますが、うるう年の挿入によりキャンセルされます。


節を含む日を1日とする節月という考え方もあります。


イランでは春分を基準に、フランス共和国暦では秋分を基準に1年を定めます。


太陰暦太陰太陽暦で用いると、二十四節気の日付は毎年大きく変わります。


日本や中国で使われていた太陰太陽暦では、日付が一方的にずれていかないよう、二十四節気を基準にうるう月を入れて調整していました。


二十四節気を使うと年の途中でもずれを修正することができます。

このようなうるう月の置き方を歳中置閏といい、逆に言えばそのために二十四節気が考案されたわけです。


二十四節気の起点は冬至であり、古来より冬至を観測することで暦を正していました。



引用:国立天文台暦計算室 こよみ用語解説 二十四節気