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夢をみていたらしい。

純白のドレス…

6月という季節柄、ジューンブライドの夢をみていたらしい。

『白昼夢か…』

久美子は自嘲的に笑った。


『まだ、夢が捨て切れないってか…』

『私って、つくづくオンナよね…やんなっちゃう!』

はしゃいでみせるか。

久美子。


やめるんだ…

もう、そんなふうに悲しみを隠すんじゃない。

そんな顔でディスコティックに踊らないでくれ!


『アタイね、幼稚園の頃、将来の夢、お嫁さんって言ってると子供扱いされるという統計をとったの。それからは、夢、ひたすらピアノの先生と言い続けて、大人ぶっていたけどさ…

ずっとずっと


夢はお嫁さんだった。

アタイ…

やだ何話してんだろ!!夜はこれからよ!
躍ろう躍ろう!!』

そう言って、ダンスホールに駆けて行く彼女を見つめながら、

俺は、
苦い想いをグイッと飲み干した。

八重丸ガリガリ君割で。

チクショウ…!

俺は…俺は…!!

う、

旨い。

なんだこれは…?

ガリガリ君の持ち味である、明るいブルーこそ薄まってしまったものの、

ソーダなのか…

これはソーダなのか!?

ガリガリ君独特の風味は消えていない。

鼻腔深くまで、駆け抜ける夏休みの香り。

麦藁帽子。

自由研究。


過去に逃げ帰りそうになる、俺を『八重丸』が抱きよせる。

ここにいろ。

そして、

生きろ。

サンは森で。
私はタタラ場で。
共に生きよう。


俺は彼女に駆け寄っていった。

『また夏がくるぜ!』

俺もつくづく不器用な男だぜ。