もうすぐクリスマス・・・・
ただ子供の頃からクリスマスを
意識した事はあまり無い。
忙しい師走に輪をかける様な
儀式だと思っている。
映画にしてもクリスマスを
テーマにしたものは、
恋愛が絡む様なものばかりで
影響を受けた事は無い。
ただクリスマス映画というわけでは
無いがこの映画はガキの頃に観て
印象に残っている。
戦場のメリークリスマス
1983年公開
大島渚監督のセンスは
鋭いと思う。
まず、当時は刑事ヨロシクなどの
コメディでしか演じた事がない
北野武氏を軍人役に抜擢したり、
YMOの天才、坂本龍一氏をメインに
起用し、音楽までも世界に伝えたり、
配役交代はあったものの、
あのスター、デビットボウイを起用したり、
朝鮮人の役でジョニー大蔵氏を抜擢したり、
それだけでもう驚きのレベルである。
内容的には戦時中の、ジャワ島での
日本人の捕虜収容所の出来事を
描いた作品で、原作も存在するのだが、
見事、大島渚監督により
調理された作品だと思う。
劇中の坂本教授の音楽も良いし、
ある面、役者を本業としない
ミュージシャンやコメディアンを
中心に選んだ才能も素晴らしい。
勿論、裏では大島渚監督が、
世界中を駆け巡り金を集めたり、
カンヌ映画賞も確実と言われたが
逃したり。
ただ世界中のコアな連中からは
評価を得た作品だと思う。
90年代以降、
自身も監督になり、
凶暴な役を演じる様になった北野武氏
も原点になった作品。
ただ、松竹のルーヴェルヴァーグの旗手
と言われ、60年代には数々の
名作を残し、70年代には愛のコリーダ
などで映画の概念を壊した大島渚監督も、
この作品以降2作しか残していない。
ただ遺作の御法度は劇場に観に行ったな。
あれも新撰組のイメージをぶち壊し、
素人だった松田龍平氏をデビューさせた
実績は素晴らしいものであった。
クリスマスに死刑判決が出たり、
戦場や収容所でクリスマスを
迎える人も居るので、
自分みたいにただクリスマスを
迷惑がる余裕があるのは
幸せかも知れない。


