台湾の作家、紀蔚然(き・うつぜん)による私立探偵もの、台北プライベートアイの続編。


今回は舞台を台北から淡水に移し、前作の登場人物は主人公の呉誠(ウー・チェン)だけという、かなりストイックで大胆な構成。


それでも呉誠のスタイルはそのまま。DV8という素敵な女性エマがいるバーを活動拠点として、依頼から始まった調査をきっかけに時効寸前の難事件など、様々な問題を芋づる式に解決していく。


前作ではうまく行きかけて失敗してしまったロマンスもあったが、エマとは嘘のように順調。しかも呉誠自体の私立探偵としての腕前が上がっていることもあって、面白いように謎を解いていく。上下二段組で400ページ近いボリュームも負担どころか、たっぷり楽しめて満足。


「台北プライベートアイ」もそうだったけど、今回も実在する飲食店がいくつもあるそうなので、いつか聖地巡礼してみたいよ。