エモケン先生が原稿たくさんあるように見せたくてプリントをプルプルしてるのが良かった。
「不適切にもほどがある!」宮藤官九郎っぽいセリフ集 第7話
「誰だてめーは、出て来いおら、体育教師か? 体育教師じゃあ」
「待てこら、アバズレ、出会って5秒で合体か?」
「いってらっしゃい、お母さん」
「俺の純子、どこ行ったんだ?」
「先輩、俺の純子ってことになりましたよね」
「よくも騙したな。純子が死ぬとか、蛙だから距離を置けとか」
「蛙なんじゃない。蛙化現象」
「うるせー未来人! 確かによく見たら、あんたら親子。顔つき未来っぽいぜ。くそっ、俺が中卒のヤンキーだからってバカにしやがって、純子ー! 聞こえるかー!」
「なんであっさり信じるの」
「だって、タイムマシンがなかったら、ドラえもんはのび太に出会えません」
「ちょめちょめしにきたんじゃねーぞ、ブス! 男のくせに美容師? ろくなもんじゃねーよ、ちゃらちゃらしやがって」
「確認なんだけどね。あんたが純子と結婚することは」
「言ってません。言いません」
「だったらやめてよ、ディスコの黒服とか、お義父さんとか、え、なに? 匂わせ?」
「すまん。でも妻の顔見てたらいろいろ思い出しちゃって」
「やめてって、お母さん引いてるから」
「お母さんじゃない。妻でもない。俺の、娘だ」
「はい。その代わりお義父さん、今夜は純子と一緒に寝ても」
「いいわけないでしょ」
「だって夫婦だよ。今夜は久しぶりに行けそうな気がする」
「何言ってんだてめえ、ぶっ殺すぞ!」
「よし、よし、よし、よし、まちゃとかわいい。私も早く子供欲しい」
「ははははははは」
「孫なんだけど」
「書いてねえくせによく喋れるな」
「取材大好きなんです。承認欲求の権化だから」
「承認? なに?」
「存在を認めて欲しい。褒めて、ねぎらって、ちやほやして欲しい」
「エゴサーチ? しませんね。顔も名前も知らない100万人ではなく、たった1人の孤独な人間のために書いてますから」
「エゴサしました?」
「なんだよ、(まゆげ)書いてねえよ。書いたよ! 未来で舐められねえようにだ。必ず純子連れて帰るぜ、あばよ」
「俺は今、未来にいる。この1歩、ムッチにとっては小さな1歩だけど、人類にとっては」
「五月みどりってなんであんなにエロいんだろうな」
「まだ中学生だからわかんないですよ」
「うわ、ぜってえ昭和。騙された!」
「ちょっと待ってください。確かに私は保守的で型にはまった、冗談のひとつも言えない。面白みのない不人気教師です」
「そこまで言ってません。離して」
「しかし、こんな見た目にもかかわらず、人気の面で小川先生に大きく水をあけられているのが、どうにも解せない。なぜ担任の僕ではなく、副担任の小川先生と、八頭身の僕ではなく、ご投信の小川先生と」
「ちょっと待って! 小川先生の話なんか、私一言も」
「付き合っているんですよね」
「いいえ!」
「あ、違うんだ」
「ああ」
「好きです」
「あ、嘘でしょ」
「ああどうしよう言ってしまった」
「みんな優しいよね、純子に。なんでかな」
「かわいいからだよ」
「やめてよ。調子狂っちゃうから。親父みたいにブスブスって言われてた方が気が楽」
「私もね、お義父さんと初めて会った時、ブスって言われた」
「好きなんだよ。渚さんのこと」
「小川さんが? そうかな」
「そうだよ。渚さんは? どう思ってる? 親父のこと」
「好きだよ」
「ほんと? 良かった。あいつが幸せになれないと私も親離れできないからさ。口は悪いけど、バカじゃないんだよ。だからどうか、小川市郎をよろしく頼んますね」
「板東英二?」
「ええ、板東英二だと思うことにしました」
「いや、ちょっとよくわからない」
「まず見た目がドンズバでタイプなんです」
「板東英二が?」
「あなたがです。考えればわかるでしょう」
「はい。すいません」
♪見た目で人を判断しちゃいけない
でも見た目がドンズバ
ルッキズム反対
大切なのは中身
でも中身はコンサバ
なのに見た目がドンズバ
「その見た目のせいでどうしても採点が甘くなってしまう。こりゃあフェアじゃない。だから見た目以外にあなたのいいところが見つかるまでは」
♪バンバンバン あなたは板東英二
バンバンバン あなたは元中日ドラゴンズ
バンバンバン バンバンババンバン 板東英二
ルッキズムとドラゴンズの
間で揺れてる私
I'm just a woman
アン、バババン
「びっくりしちゃって私、スカーフ巻いたつもりがパジャマのズボン巻いてきちゃった」
「やだー」
「見てないの? ローマの休日」
「見てないね。ここ数年は寅さんかトラック野郎しか見てない」
「江面健太郎の引退作だよ! 完璧な起承転結、1話からの伏線を最終回で全部回収して、最後のピースがラストシーンでズバッと。ハマってエンドマーク、これしかないよ」
「回収しなきゃダメかね」
「ダメだね。完璧主義なんだ。ずっとそれでやって来た。ゴールさえ決まれば道筋が決まるんだよ。そしたら一気に書けるんだよ」
「あんた神様かね」
「自分のドラマに対してはそうだね。神の視点を持ってる」
「悪いがそんなのは傲慢だと思うね。どうなるか。いつまで続くかわからないから面白んじゃないの? 最終回が決まらないと書けない。冗談言うなよ! 俺と純子の最終回はな、決まってんだよ! あ、ごめんね。偉そうなこと言って。あはは、けど、いつか終わる。ドラマも人生も。だからそのギリギリ手前までとっ散らかってていいんじゃないかねえ。最終回が決まってないなんてさ、最高じゃん! 俺に言わせりゃ、最高だよ」
「終わった」
「あれがないと終わるんだ」
「いやらしい目で見たんだろ、純子のこと。あんたのせいだ!」
「そんな。こんな澄んだ目をしてるのに」
「歌舞伎町とか言ってなきゃいいけどな」
「トー横治安悪いって言うからね」
「東横? のれん街か?」
「スマホを落としただけなのか? スマホを落としただけなのね?」
「ちょめちょめしてねーだろうな」
「まだしてねーよ」
「ごめんな、純子! 父ちゃん忙しくて、ほったらかして」
「楽しかった?」
「すっごい楽しかった。ほったらかしてくれてありがとう」
「ねえ? 未来で一番印象に残ってる場所ってどこ?」
「ええ、なんだろう。(デジカメの画像)消えちゃった」
「どうかした」
「そうだな。スカイツリーも江の島も綺麗だったけど、1番良かったのは…(純子!) 牢屋? かな?」
「俺は今、未来にいる。この1歩、ムッチにとっては小さな1歩だけど、人類にとっては」
「え?」
「え?」
「え?」
「ええー!!」



