オジーじゃないや古田新太の登場はラスト直前、濡れ煎餅じゃなくて錦戸亮は来週なのか。

 

 

「不適切にもほどがある!」宮藤官九郎っぽいセリフ集 第4話 

 

「かけ? パケ? よろしかった?」

「よろしかったでいちいち引っかかったら先進まない」

「なんで過去形なんだよ。おい! 俺が過去から来た人間だからか!」

 

「なにその頭、受刑者?」

「すぐに思い出していただけるように38年間、髪型変えずに」

「そういうとこ井上だわ~。俺の方が未来来ちゃってるし」

「ちくしょう、なんだったんだ俺の38年」

 

「焼肉でもとう?」

 

「12時ちょうどにわっ!て叫ぶよ」

 

「ふん、女子が! なにが楽しいんだか」

「楽しいよ。ストーリーのコメントに交じって、たまにDM送るみたいな感じ?」

 

「キヨシ君、静香のタイプみたいだよ。付き合っている人いないがYES、いるならNO、野球が恋人って感じならバース。ふん、YES、NO、バースの3択! 女子って心底くだらない」

 

「え? 『風と木の詩』ってBLマンガの金字塔ですよ」

「BL? ベーコン・レタスマンガ?」

「『俺は男しか愛せない』って言うんだ」

「は? ちょっと待って、井上が?」

「PLなら知ってる。清原、桑田」

「BLはボーイズ・ラブ」

「桑田と清原が?」

「純子ちゃん、まだ8時。どっか出かけてきたら? 誰かのバイクで、あばずれなんだから」

「なにその雑な追っ払い方」

「ごめんごめん、ここは純子ちゃんちだもんね。で?」

「流れで告られちゃってさ」

「井上に?」

「キヨシ! 俺は好きだ君が! 初めて会った時から他人とは思えないんだ! YESか、NOか、バースで答えてくれ!」

「違う。それ勘違い。女にモテなくて変なこと言いだしただけ」

「なんで決めつけるんだよ」 

「確かに。井上のことになるとムキになるのなんで?」

「(なんでって…。だって彼は将来私の夫になる人でキヨシの父親。だから他人とは思えないだけ当たってる)」

「ってゆーか、NOじゃん! うちら付き合ってるんじゃないの?

「わかんないよ。おっぱい見してくんないし。ムッチ先輩の前では付き合ってないって言ったりさ」

「で?」

「試しに付き合ってみることにした」

「はあ? 二股!」

「黙って」

「二股! 二股!」

「黙って、黙って! わかってんの?」

「え、LGBTQでしょ。前の中学でもゲイの子いたし」

「そうなんだ。知らなかった」

「告白されて、うっすら付き合った。手つないで一緒に帰っただけだけど」

「うっそー、やだー」

「なんだよー、いつも性差別はいけないって言ってるじゃないか」

「それはそうよ。だめよ、差別は。多様な性は平等に認められなくちゃだめ」

「俺だってほんとに女が好きかまだわかんないし」

「いやーこんなこと言ってる」

「おっぱいは好きだけど、おっぱいだけが好きなだけかもしれないし」

「ふふふ、そんなやついない。や、そういう問題じゃなくて(てゆーか、気づけよわが息子。同姓同名でさ、坊主でさ、タイムマシン好きでさ、フラグ立ちまくってんだろう)」

「で?」

「じゃあキスしてみようって流れになって」

「うん、どういう流れよ!」

「最悪! うちらもまだなのに! バカ!」

 

「それで悟ったんだ。俺やっぱりおっぱいが好きだ」

「(違う、そこじゃないキヨシ)」

「じゃないや、純子先輩が好きだ」

「なによそれ! 人のことおっぱいみたいに! ふざけんなバカ!」

 

「はーい、井上? あんたキヨシに変なこと吹き込まないでよ!」

「貸して! 井上君、よく聞いて。あなた、自分がモテないからって女を軽視してる。女性蔑視。あなたそういうとこある。昔から。ミソジニーの属性があるんです、昔から。そういう男に限って、ホモソーシャルとホモセクシュアルを混同して、同性愛に救いを求めるの。井上君今ここ。わかる? 女にモテなくて男に走ってるの。あなた中二病なの。君がモテないのは女が悪いという考えを捨てない限り、モテないし、変われない! わかる? モテないから…」

「なんだよ、中二病って。春から中三だし」

 

「『俺たちチアリーダー』っていう男子高生がチアリーダーに挑戦する青春ドラマなんですが、この俺たちというワードがホモソーシャル的で女性を排除しているという書き込みが」

「誰が書いた? ホモが書いたのか?」

「え? またまたさすがですね、小川先生」

「女に交じって男が股開いて飛んだり跳ねたりすんのが面白いと思ってるんだろ? 自信持てよ」

「性別を全面に押し出すと最近はジェンダー平等に反すると抗議が来るんです」

「だれから? ジ・エンダーから?」

「ジ・エンダーって名前の人はいないんですけど」

「じゃあ森田健作の『おれは男だ!』なんてのは?」

「だめですねえ。一番アウト」

「『科捜研の女』も?」

「ああ、沢口靖子さんが違和感を覚えたらアウトでしょうね」

「『男女7人夏物語』は?」

「それはいいんじゃない?」

「だけど、男女って言っちゃってますから」

「『人間7人夏物語』ならいいのか?」

「ですね。全然見たくないけど」

 

「あと宣伝部から略して4文字だと助かると言われてまして」

「ハッシュタグで検索しやすいように」

「は、はっしゅ」

「『恋は続くよどこまでも』、略してこいつづ、的な」

「あ、『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』、略して加トケンみたいなことか?」

 

「若井ちゃん、ハッシュタグってなんだい?」

「検索したいワードの頭に#をつけるんです」

「あああ、これか? 井戸の井みたいなやつ。なるほどね~ありがとう若井ちゃん。若ハッシュタグちゃん」

 

「キヨシ君って純子先輩と付き合ってるの?」

「同棲してるの」

「ちょっと、あいや、家庭の事情で同居してるつーか」

「お風呂上りにバスタオル1枚でうろうろしたり、それ見てドキドキしたりしてんじゃないの?」

「別に興味ねえし」

 

「♪あなたをふりむかせる」

「やー、振り向いちゃう。渚っちに言われたら2回振り向いて元に戻っちゃう」

 

「なんだよ、白組」

「なんか重くないですか」

「重い。確かに紅組大体重い」

「その紅とか白とかも見直す必要があるんですよ」

「はあ? なんで?」

「多様性です。ジェンダーレスの時代ですから。紅でも白でもない人にも配慮しないと」

「出たよ、ジ・エンダー! 俺たちはさ、キョンキョンが好きだから応援してるんであって、キョンキョンが女だから応援してるわけじゃねーよ。男女がダメならなんでわけんの? 貧富の差? 貧乏金持ち歌合戦か?」

「縄文人弥生人歌合戦とか。知ってます? 耳垢がねちょねちょしてるのが縄文人でカサカサしてるのが弥生人なんですよ」

「やだよ、そんな歌合戦」

 

「おい! カマキリ野郎! 親父の名前言ってみろ!」

「睦実です。秋津睦実」

「やっぱり! ムッチ先輩! 秋津、お前ムッチの倅か?」

「お父さん知ってるの?」

「知ってるもなにもうちの娘を絶賛たぶらかし中の葛飾区の暴走族よ!」

「マジすか」

「思い出した! 確か実家がだんご屋で、マッチに憧れて『俺のことムッチって呼べ』って、呼ばなかったらベルトでしばかれるっていう伝説の先輩」

「はあ、親父超だせえ。あ、ちなみに俺の名前、真彦」

「ん? ってことは秋津、お前まさか、お前の母親って、えー待て言うな。この野郎。その口から純子の名前が出ようもんなら、俺はお前を刺し殺す」

「マドラーじゃ無理です」

 

「なにがあったか知らないけど、親父さんに心配かけちゃ…」

「いないの」

「いない? どっか行ってんの?」

「知らない」

「キヨシは?」

「知らない。どうでもいいんだよ、みんな。純子のことなんか。誰も心配してくんない。純子ちゃんは大丈夫、しっかりしてるからって。ふざけんなよ。しっかりしたくてしっかりしたんじゃないよ。お魚触れないとか言ってみたいよ。瓶の蓋あかないとか。そんなこと言ってたらご飯作れないからずっと我慢してやってきたの。それなのに、キヨシのお母さんが来て全部やってくれるようになったらみんな好き勝手やりだしてさ、親父はどっか行っちゃうしさ、キヨシもさ、純子のこと好きとか言ってたくせに、女と付き合ったり、男と付き合ったり。頭来ちゃう。誰も純子のこと見てない。ずっとそうなんだよ。誰にもちやほやされずにおバンになっちゃうんだ。先輩…。なんで裸?」

「わかんない。けど、俺はお前が大切。だから放っとかない。お前しか見れない。体張ってお前守る。という熱い想い、を、込めた裸」

「ありがとう」

「着た方がいい?」

「どちらでも。こっち来いよ、純子」

 

「なんにも言うな。濡れたTシャツ、かわいい」

「真夏の1秒。近藤真彦」

 

「素肌にシャツがセクシー。ちょっと濡れてるセクシー」

「情熱熱風セレナーデ。近藤真彦」

「マッチは濡れたシャツが大好きなんだぜ」

「恥ずかしい、電気消して」

 

「ハンドパワーだよ、ハンドパワーの遣い手。や、そもそもあの子はさ、演技がしたくて女優になったんだろ? だったら全部演技だろう。飯食うシーンとか、乱闘シーンとか、歌ったり踊ったりすんのと一緒だよ。なんで濡れ場だけ特別なんだ。俺の好きな西川峰子とかかたせ梨乃なんかはさ、脱ぎっぷりの良さと体当たり演技でのし上がったもんよ」

 

「♪バンザーイ、バンザーイ」

「ストップ。もうマッチ禁止」

 

「どうしたの」

「おれの愚か者が…ギンギラギンにならない」

 

「どうしよう。今めっちゃ興奮してる」

「なにが?」

「スマホないのに純子見つけられた。雨の夜。スマホ使わずに純子に会えた。すげー俺、すげー! 昭和最高!」

「キヨシ! 男だったら惚れた女泣かすんじゃねーバカ野郎!」

「先輩!」

「その手を二度と離すなよ! わかったか!」

「はい! ありがとう純子、ごめんね」

 

♪落ち着いて小川さん

落ち着いて小川さん 

始めたばかりで酷だけど

SNSは本気で打ち込むものじゃない

 

「そうなの」

「そもそも既読とは、既に読みましたっていうメッセージでそれ自体が返信なんです」

 

♪既読 それは生存確認

返事がないのは良い知らせ

既読 それは元気な証拠

孤独を感じるなんてバカげてる

 

「いや、だったら」

 

♪既読なんかつけなきゃいいんだ

既読なんかつくから気になる

便りがないのは悪い知らせ

 

「確かに既読がつくと返事が欲しくなるし、こっちもなんか返さなきゃと思ってしまいますよね。その結果が」

 

♪承知しました

承知しました

承知しました

承知しました

承知しました

 

「いや、違う違う。俺が欲しいのはそんな機械的な返信じゃない。業務連絡なら連絡網で充分だ」

「連絡網?」

 

♪連絡網も知らない!

HAHA

これだからZ世代は

連絡網も知らない!

HAHAHAHA

 

♪AからBに BからCに

電話を回して ZからAに戻る

 

「ついでに言うけどインテマシー、主演俳優の誕生日にお前だけグループチャットにおめでとうメッセージ送らなかったな。あれもやもやしたぞ」

 

♪あなたは何もわかってない

groupチャットのハッピーバースデイは

アピール以外の何物でもない

 

「そうなんだ」

「ほんとに祝いたい相手には直接送るんです」

 

♪落ち着いて小川さん

みんな薄々気付いてる

SNSは本気で向き合う場所じゃない

いちいち真に受けたら疲れちゃう

 

「そうなの?」

 

♪それがソーシャルネットワーキングサービス

そーなんですね

そーだったのか

アイムソーソーリー