シネクイントで映画「カラオケ行こ！」を見た。
「カラオケ行こ！」
監督：山下敦弘
脚本：野木亜紀子
原作：和山やま
撮影：柳島克己
出演：齋藤潤、綾野剛、芳根京子、坂井真紀、宮崎吐夢、八木美樹、後聖人、橋本じゅん、やべきょうすけ、北村一輝、チャンス大城、井澤徹、加藤雅也、ヒコロヒー
合唱コンクールの会場で中学の合唱部の部長・岡聡実（齋藤潤）がずぶ濡れスーツ姿のヤクザ・成田狂児（綾野剛）に「カラオケ行こ！」と誘われる。狂児は組内のカラオケ大会でどうしてもビリになるわけにはいかなくて藁にもすがる気持ちで聡実に歌のコーチを頼みたかったのだ。
聡実も下級生からの（面倒な？）突き上げと自慢のソプラノボイスが声変わりで出なくなってきたこともあり、カラオケボックスに入り浸ることになる。
「ヤクザと家族」で悲しい結末を見たばかりなのもあり、綾野剛の溌剌とした、そしてカラオケに悩んでいるだけのヤクザ役がちょっと嬉しかった。
聡実役の齋藤潤がほとんど美人のような美形の男子。彼を見つけてきたことで不条理で無茶苦茶な世界にスッと馴染めた気がする。
内容的にはベタというか王道なんだけど、純粋に楽しかった。
本筋とは関係ないのだが、聡実が合唱の練習をサボって訪れる映画を見る部（VHSデッキで古い映画の録画ビデオを見てるだけ）の部室が秘密基地のようでよかったなあ。あんな場所が欲しいよ。
もうひとつ。山下敦弘監督は加藤雅也の使い方が独特。加藤雅也と言えばスラっとしてかっこいい見た目を活かした渋いヤクザか刑事、もしくは謎のエリートという感じ。ところが山下監督、「1秒先の彼女」では失踪する父親、この「カラオケ行こ！」では狂児という恐ろしい名前をつける父親役だった。それがまたこのダメ親父がハマっているんだ。
映画が終わって、エレベーターを待っている時に原作マンガを見ている友達に「どう？ 原作通りだった？」と聞いている人がいて、その友達が「原作通りだったよ」と答えていた。ああ、「セクシー田中さん」の原作者の事件があったから気になったんだろうな。いやいや野木亜紀子さんは大丈夫だって。
映画を見終わった後、無性にX JAPANの「紅」が聴きたくなった。正直エンディングソングはカバー曲（Little Glee Monster）じゃなくてオリジナルにして欲しかったよ。
