正月に放送されていた「サンドウィッチマン&芦田愛菜 博士ちゃん 新春3時間SP」で芦田愛菜と葛飾北斎博士ちゃん(目黒龍一郎くん:14歳)がおすすめしていた林忠正の物語を読んでみた。


明治時代のパリで繰り広げられた絵をめぐるお話。ゴッホ、ゴーギャンなど、実在する人物も出てくるので時代小説とも言える。


フランス語を完璧にマスターし、葛飾北斎、安藤広重、菊川英山など、明治の日本では価値を見出されていなかった浮世絵を世界でも類を見ない美術品にまで価値を高めてヨーロッパの人々に売りまくった林忠正。


印象派が台頭した時代に誰も見たことのない絵を描き、生前には評価されることのなかったフィンセント・ファン・ゴッホ。


ただ主人公はこの2人ではない。


日本からパリへ。林忠正の片腕として海を渡ってきた加納重吉。※架空の人物のようだ。


そしてもう1人は画家ゴッホを生涯支えた弟。画商のテオドルス・ファン・ゴッホ(=通称テオ)。


不世出の2人を陰ながら見てきた2人の視点で語られる。ゴッホと弟のテオとのやりとり、美術の世界で西洋人と渡り合う日本人、そして有名なゴッホの耳切り事件まで。小難しい話ではなく、わくわくするエンターテインメント小説として描かれている。