個人的には今まで読んできたサッカー本の中で一番面白いと思っていた「平畠啓史 Jリーグ 54クラブ巡礼」。タレントがたった1人で54クラブを取材して本を作るなんて! しかも、チームの話だけではなくて、スタグル(スタジアムグルメ)やチャントのことまで網羅されていて、サッカー観戦のお供としていつも持ち歩いていた。

でもまさかたった1年で「平畠啓史 Jリーグ 56クラブ巡礼 2020」として新刊が出るとは思わなかったよ。しかも、改訂版ではなくて完全書き下ろし。スゲー。

この人のJリーグとのフラットなスタンスを見ていると、特定のチームにのめり込むのがJリーグとの付き合いかたではないんだなというのがよくわかる。

登場する人たちは遠藤保仁やチャナティップみたいな現役選手いるけれど、チアリーダー、スタジアムDJ、スポンサー、強化部長、広報、コーチ、芝の造園屋さん、審判、ボランティア、ジャパネットたかたの元社長、うどん屋のおばちゃんまで、56クラブにゆかりの様々な人に会って話を聞いている。

これはもう平畠啓史さんの人柄とサッカーへの愛の深さの為せる技だな。

願わくば早くJリーグが再開して、この本を持ってスタジアムに行きたい。そして、2021年度版とは言わないが更なる続編も作って欲しい。