1986年。「深夜特急」シリーズ、キャパの自伝の翻訳、初の小説「血の味」と沢木耕太郎のキャリアの中でも最も重要だと思われる時期に雑誌の連載として書いていた日記をまとめたもの。

{54A83353-D1D2-4B3D-987E-E7BAE7FF82AC:01}



「それにしても、道というのは不思議なものだな、とあらためて思われてくる。世田谷の弦巻という町に住み、三軒茶屋に仕事場を持つ私は、都心に向かうのに常に246を使う。タクシーやバスはもちろんのこと、地下鉄に乗る時でさえ、246に沿って都心に向かっていくことになる。いまの私にとっては、この246が『うち』から『そと』の世界につづく唯一最大の道であるのだ」

本としてまとめられたのが2007年、文庫になったのが2014年という途方もない年月を経ているはずなのに、いつものというか沢木耕太郎にしか書けない引き込まれるような文体で様々な出来事が綴られている。

当時2歳ちょっとの娘さん。寝る前に彼女のリクエストを受けて即興で作っていく物語(これがどれも本格的)のエピソードが愛おしい。その娘さんももう30代になっているんだな。



246 (新潮文庫)/沢木 耕太郎

¥1,015
Amazon.co.jp