人はひとつの言葉に救われることもあるし、世界観が広がることもある。

「やがて、いのちに変わるもの。」「年賀状は、贈り物だと思う。」など、多くの名コピーを生んだ岩崎俊一さんのエッセイ集。

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「家から、湯気がきえようとしている。」「人の正体を知りたければ、ゴルフ場へ行け。」「動かすのは体だ。口ではない。」といった小見出し(これも名コピーだな)から始まる文章が読んでいてとても沁みる。


「僕は昨年大病をした。現在仕事に復帰しているものの、治療生活はこれからも続く。元のからだに戻れたらと夢見ることもあるが、そんな自分でさえ、病気になる前の自分を思い返すといかにも物足りない。生や死について話しても、どこか上滑りなのだ。言葉は致命的に軽かったと思う。そして、病を得て身についた思考や、感慨や、新しい視野や、そして憂いさえも、以前の自分になかった貴重な持ち物だと、今の僕は考えている。先日の新聞紙面で『災害や病気を経験した人とそうでない人とでは、人間の差が生じていると思います』という山田太一さんの言葉があった。僕は深くうなずくのである」
重い病気を患った経験すらプラスにできることがあるんだな。

それと。

特に犬の話(犬は鳴く、犬は泣かない)と子供の話(この子の3歳は、たったの1年)は何度も読み返したい。