まさか日曜劇場で木皿泉脚本のドラマが観られるとは(!)



「おやじの背中 ドブコ」
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脚本:木皿泉
出演:堀北真希、遠藤憲一、溝端淳平、薬師丸ひろ子


「死んだ気持ちで地べたに寝てるとさ、いつもより緑が目に沁みるんだよな。人の走っている音とか身体中に伝わって来て、ああこいつらみんな生きてんだなって思えるんだよ。わかんねえだろ。わかんねえんだよな」
「死体の負け惜しみにしか聞こえない」


「(父さんと)付き合ってしばらくした頃、いきなり父さんあの顔で『愛ってなんだと思います?』って」
「父さんそんなこと。で、母さんなんて?」
「うん。例えば帰り道。自分の家が赤々と灯っているのを見て、『ああ、あたし、今からあそこでみんなとご飯を食べたり、くだらない話したり、なんだか楽しいことがいっぱいあるなあって。そういうのが愛じゃない?って」


「私さ、お父さんとお風呂に入るの楽しかったな。怖い話してくれたり、一緒に歌歌ったり、そんな日がずっと続くんだと思ってた。でも、いつも突然終わりって言われるんだよね。まさるだってずっとふざけあって友達のまま年を取るって思ってたのに、ハイここまでって。父さんもさ、殺されても殺されてもただいまって家に帰って来るじゃない? だからそんな日がずーっと続くんだと思ってた。でもこの間、父さんもいつかは死んじゃうんだなって。はー。なんでかな。なんで私がいいって思うことはずっとずっと続かないのかな」
「そりゃお前、生きてるからだ。ずーっと子どものままじゃいれないし、人はいずれ死ぬように出来てる。変わっていくんだよ。おれもお前も。まさるもまさると結婚するやつも。ここに住んでるやつみんなそうだよ。変わるのが嫌だって怖がっててもしょうがねえよ。な」


「バイバイ、私の友達。バイバイ、何も変わらないと思ってた私の子どもの時間」


「お前いいこと言うな」
「なんのこと?」
「幸せになりたかっただけなんでしょって。そうなんだよな。今の幸せを続けたくて、誰かを斬って(切って)しまうんだよ。人ってそういうもんなんだよな」
「あっそ」
「だとしたらよ。おれが斬られるっていうのは誰かの幸せを受け止めてるってことなんだよな」
「いいように言い過ぎ(笑)」
「今度は逃げずに斬られてやるからな。見事に斬られてやるからな」



次は再来週放送の山田太一編で。