人が人を想い、命をかける。
たとえそれがどんなに理不尽なことでも受け入れる。
そんな、不器用な生き方が胸を打つ。
定められた運命、そして死と向き合って、おのれの仕事を全うしようとする武士の話。
刃傷沙汰を起こして切腹は免れた庄三郎はある村に幽閉されている秋谷の監視役として送り込まれる。
秋谷は前藩主の側室との密通により、家譜編纂と十年後の切腹を命じられていた。
庄三郎は秋谷と接するうちに密通事件にはある大きな陰謀に巻き込まれたものだとはわかってくるのだが、潔白を証明する手立ても方法もない。
「夏がくるとこのあたりはよく蜩が鳴きます。とくに秋の気配が近づくと、夏が終わるのを哀しむかのような鳴き声に聞こえます。それがしも、来る一日を懸命に生きる身の上でござれば、日暮らしの意味合いを込めて名付けました」
「わたしは〈三浦家譜〉を記すようになって気づいたことがある。今現れておる出来事の根は昔にある。つまり、善行からは美しき花が咲き、悪行からは腐臭を放つ実がなるとな」
「不思議だな。そなたは目立ったことをなすわけでもないのに、関わる者は生き方を変えていくようだ。心がけの良き者は良き道を、悪しき者はより悪しき道をたどるように思える」
「未練がないと申すは、この世に残る者の心を気遣うてはおらぬと言っておるに等しい。この世をいとおしい、去りとうない、と思うて逝かねば、残された者が行き暮れよう」
携帯電話もカメラもパソコンもなにもない時代に、手書きで家譜を編纂するって大変だ。
一枚しかない大事な証拠文書をどうやって相手に渡さずに裏書きするのか。どう解決したのかは読んでみて。
「蜩ノ記」は映画化も決まっている。
庄三郎が岡田准一、秋谷に役所広司、秋谷の娘に堀北真希。
秋谷のイメージは榎木孝明だったんだけどなあ。
蜩ノ記 (祥伝社文庫)/葉室 麟

¥720
Amazon.co.jp
たとえそれがどんなに理不尽なことでも受け入れる。
そんな、不器用な生き方が胸を打つ。
定められた運命、そして死と向き合って、おのれの仕事を全うしようとする武士の話。
刃傷沙汰を起こして切腹は免れた庄三郎はある村に幽閉されている秋谷の監視役として送り込まれる。
秋谷は前藩主の側室との密通により、家譜編纂と十年後の切腹を命じられていた。
庄三郎は秋谷と接するうちに密通事件にはある大きな陰謀に巻き込まれたものだとはわかってくるのだが、潔白を証明する手立ても方法もない。
「夏がくるとこのあたりはよく蜩が鳴きます。とくに秋の気配が近づくと、夏が終わるのを哀しむかのような鳴き声に聞こえます。それがしも、来る一日を懸命に生きる身の上でござれば、日暮らしの意味合いを込めて名付けました」
「わたしは〈三浦家譜〉を記すようになって気づいたことがある。今現れておる出来事の根は昔にある。つまり、善行からは美しき花が咲き、悪行からは腐臭を放つ実がなるとな」
「不思議だな。そなたは目立ったことをなすわけでもないのに、関わる者は生き方を変えていくようだ。心がけの良き者は良き道を、悪しき者はより悪しき道をたどるように思える」
「未練がないと申すは、この世に残る者の心を気遣うてはおらぬと言っておるに等しい。この世をいとおしい、去りとうない、と思うて逝かねば、残された者が行き暮れよう」
携帯電話もカメラもパソコンもなにもない時代に、手書きで家譜を編纂するって大変だ。
一枚しかない大事な証拠文書をどうやって相手に渡さずに裏書きするのか。どう解決したのかは読んでみて。
「蜩ノ記」は映画化も決まっている。
庄三郎が岡田准一、秋谷に役所広司、秋谷の娘に堀北真希。
秋谷のイメージは榎木孝明だったんだけどなあ。
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