娘さんの多指症のコトを始めて聞いたのは、帝王切開で出産した4時間後くらいでした。
わたしのおなかの中の羊水が少なく、わたしの子宮がほぼ中の人の形になって子宮壁によって圧迫されている、このままでは早い段階で出さないと中の人は持たない、と告げられた。
入院して8日目に予定帝王切開。28週6日だった。
麻酔科の先生に、手術中に「このミステリーは凄い大賞」に選ばれた作品の犯人ネタ晴らしをされたと言うトラブルはあったものの、きわめて順調な手術だった。まだその作品読んでねーよ・゚・(つД`)・゚・
当然のことながら娘さんは早々にNICUに運ばれていった為、まともに顔を見ることができず、オットは気が動転しすぎてNICUに運ばれていく娘さんの写真撮影に失敗した。あとで双方のオカン達に呆れられた。
そして術後、小児科の先生にオットだけが呼ばれていき、娘さんの病状を聞くこととなる。
左手多指症。
自分でも聞いた瞬間顔色が変わるのが判った。あと色々とオットは娘の病状を説明してくれたがあんまり頭に入らなかった。
オットは一応手のアップをデジカメにおさめてきてくれた。画像がぼやけてよく判らなかった。趣味で高価な一眼レフもってるくせに写真撮影に失敗してんじゃねーよ。
オット曰く、結構はっきりと指が6本あることが判る、とのコト。
ひととーり説明を聞いた後、私が言った言葉は「豊臣秀吉も指6本だよね」だった。
わたしは歴女だった。そんな歴史の小ネタをしっていた。
オットと2人で「豊臣秀吉の生まれ変わりw」「じゃあ娘さん天下取るんだw」と盛り上がっていた。
手術後だったので麻酔が効いてるから動くどころか寝返りすらうてず、動くのは胸から上のみ。
その日の面会時間が終わり、オットは後ろ髪をひかれる思いで岐路に着いた。オットが帰ってから私は携帯片手に多指症のコトを調べまくった。調べに調べた。
笑っていたけれど、本当は内心バクバクして気が気ではなかった。普通の出産ならもう赤ちゃんをダッコできている時間帯。でも私は違う。小さく産んでしまったから会う事すらできない。
看護師さんが一時間置きにやってくる。体の調子を身に来ること、後は母乳の調子を見る為だ。
初めての出産で、こんなに早く産んじゃったのに母乳って出るの?と疑問に思ったが、オッパイを見るとうっすらと黄色い汁がにじんでいた。
未熟児で産まれた娘さんの一番の薬は母乳だ。と励まされ、私は一生懸命おちちを搾った。
痛いのと不安とでその日はあんまり眠れなかった。
夜が明けてオットが見舞いにやってきた。車椅子でNICUに入れると言うことだったので、オットに押してもらって娘に会いに行った。
想像以上にか細かった。顔、手足、胸、全部に何か機械やコードがついているし、肉は全然ないし、色も黒いし、二の腕の太さも長さも私の親指と同じだった。
看護師さんの「何もついていない左腕なら触っていいですよ」とのコト。ボロボロと泣きながら触らせてもらう。
左手を確認した。6本目の指がはっきりと見えた。
「あ、なんだ、全然大丈夫じゃん」と思った。6本目の指は可愛かった。ちんまりとしている指がいとおしかった。
それよりも指の形がとても綺麗だった。私もオットも指先が丸く、長さが短いので、娘さんの指のスラリとした指の長さに見惚れた。そこにちんまりくっ付いている小さいほうの親指。可愛いに決まっているだろ。
この数ヵ月後肉付きが良くなってきた娘さんの指は普通の赤ちゃんの指のようになる。肉がついてなかっただけか。チッ・・・。
今の医療技術ならキレイに直ることは判ってるし、ネパールでは神の子あつかいだし。
夕べ調べた結果、多指症は日本人なら1000人に1人の割合で発生することがわかった。割と多い割合。1000分の1がたまたま娘さんに当たっただけのこと。
ということは、コミケに行けば100人くらい多指症の人がいるってコトか・・・。
昔から言う「案ずるより生むがやすし」コレは本当に本当なんだと感じた。娘さんの顔を見て、昨日一日の不安が一気に晴れた。
この子が私を選んでくれた。おかーちゃんはアナタを立派に育てます!と決意した一日だった