映像制作者の映像レビュー

★★★★★


10代の頃、自分は30才まで生きると思ってなかったし、別に生きたくもなかった。

20代の頃、30や40を越えたオッサンの説教じみたアドバイスは、すべてシカトした。


30も半ばを越えた今でも、上から目線の物言いをされると、

表面的に無難にやり過ごすぐらいの社会性は身につけたが、

心の中では未だに中指を立てている。

そして未だに、「長生き」に価値を置く生き方は理解できない。


俺にとってはずっと、「年をとる=保守的になる、安定志向になる」ことだったのだ。



で、この映画で、俺はイーストウッドに教えられた気がした。
年をとるから保守的になるのではなく、保守的になるから年をとるのだ、と。


見た目は白髪の爺さんでも、精神は現役の「男」のまま。
自分に妥協せず、突っ張って、強がって、そして優しくて。


浅慮な女性からは、単なる自己満足の自己陶酔と、

バッサリ斬られるであろう「男の美学」は、

別に年齢とは関係なくて、本人自身の気合いと覚悟の問題なんだ。


プロットに特別な裏切りがあるわけではなく、

凝った映像表現をしてるわけでもない。
大規模な撮影でもなく、

大きなスクリーンならではの画づくりでもない。


ただ淡々とストーリーが進んでいくだけなのに、

「男」の生き様を考えさせられる。
俳優・イーストウッド。監督・イーストウッド。

男として、すさまじくカッコイイ。