クリエイターと名乗る以上、全てはアウトプットの良し悪しで判断される。

自分が満足できる出来でも、周りの評価が芳しくなければ、社会的には「失敗」とされる。

これは仕方ない。そういう職業だ。


だからクリエイターの中には、アウトプットを良くするために、プロセスを無視する人もいる。

撮影現場で怒鳴って空気を凍らせる人。ものすごい細部にこだわって、現場の「流れ」を止める人。

いつまでも悩んで悩んで、周りの意欲を削いでしまう人。

気持ちはわかるが、少なくとも俺は、そういう人と仕事をしたくない。


映像は、それに携わった人たちの「熱」が反映されると、俺は信じている。

ディレクター個人の「熱」ではなく、カメラマン、スタイリスト、キャスト、ライトマン、エディター、プロデューサー・・・関わるスタッフ全てが、「見た人の心に響く映像を作る」という一点に向いたアウトプットには、力がある。

現場のポジティブなエネルギーが、密度の濃い雰囲気が、空気となって画面に映るのだ。

そして実は、人の心に響くのは、そんな言葉にならない「空気」なのではないかと思っている。


それを一番如実に感じるのが、DVDに収録されているメイキング。

本編を見た後にメイキングを見るのが最大の楽しみなんだが、

ほぼ100%、本編が素晴らしいものは、現場も素晴らしい。


そもそも、人を楽しませるものを作る時に、作る自分たちが楽しんでいないなんて、本末転倒な気がするんだよな。


映像を作る時にはまず、関わるスタッフ全てにとって、いい思い出として残る仕事にしたいと考える。


プロセスが良ければアウトプットも必ず良くなるとは限らないが、少なくとも、

充実した最高に楽しいプロセスを経なければ、いいアウトプットにはたどり着けない・・・

俺はそう思う。