映像制作者には「フィルム文化」の人と「ビデオ文化」の人がいる。
前者は映画やCMの人たち。
後者は番組やミュージックビデオの人たち。
フィルムの方が色調が細やかで、画面に空気感やトーンを表現することができる。
一方ビデオは、撮影時の機動力、手軽さにおいて、フィルムの比ではない。
で、映像を作る際には、一番初めに「フィルムかビデオか」の選択を
主には予算の問題で決めることになるのだが、近頃、第三の選択肢
「ハイビジョン」でやるケースが増えてきた。
視聴者からすると「何を今更」という感じかもしれない。
しかし制作サイドからすると、機材がまだ高い上に、ノウハウを持っているカメラマンが少ない、
編集時のデータ量が格段に重くて手間がかかる、など幾つかの要素があって、
なかなかカジュアルに手が出せる感じではなかったのだ。
しかし、ここ2~3年で、その状況は様変わりした。
ハイビジョンカメラが30万円台で発売され、ハイビジョンに精通したカメラマンも増えてきた。
使う人が増えたことで、クオリティも上がっていく。
フィルムでもビデオでもない、「ハイビジョンならではの映像」トーンを作れるようになってきた。
そして、そんなハイビジョンだからこそのコンテンツが、今面白い。
例えばディスカバリーHDの「世界の日の出」。
その名の通り、世界中の日の出が美しいスポットに行って、日の出を撮影するだけなのだが、
ビデオでは美しく撮れないし、フィルムほどお金をかけられる企画でもない。
鮮明な色と機動力を持ったハイビジョンだから、クオリティをキープして量産可能なコンテンツ
となっている。
この番組のスタッフのことを思う。
2~3人の少人数で、世界の色々なところに行って、
カメラ構えて、日の出を撮って、現地のおいしいメシ食って、
次の場所へ移動して・・・そんな日々。
もちろん楽ではないだろうが、同じ映像制作者として単純に羨ましい。
そんな仕事がしたいなぁ。。。