前回、帰国の報告をさせていただきましたが、その中で、読者の方々を誤解
させてしまうようなことを書いてしまったかもしれないと、少し反省する点が
あります。
それは、「旅行中、全く何の問題も起こらなかった」という下りです。これ
をもって「ふうん、イタリア旅行なんて、それほど構えることもないのね」と
読者の方々に思わせてしまったのなら、それは本意ではありません。
自分は今回たまたま運が良かっただけかもしれません。
旅をされる方は自分の身を自分で守ることが肝要、用心してし過ぎることは
ありません。何かが起こってからでは遅いです。
もうひとつ付け加えると、今回、僅か十日ばかりの旅行に、恐らくは数十時
間を掛けて準備をしました。裏を返すと、そのぐらいイタリア人を信用してい
なかった、ということになります。旅行の出来という点では、ほぼ満点という
内容でしたが、入念に準備した結果が出ただけといえるかもしれません。
とはいうものの、
以前のイタリア旅行と今回の旅行の印象が、あまりに違ったので、ひとつの
疑念が頭を離れません。それは──
もしかして、イタリア人、反省した?
イタリアもここ最近で変わったのでしょうか。
もしそうだとすれば一大転機となったのは 2009年のようです。
2009年9月、JAL の ローマ直行便廃止!
1997年、イタリアを訪れる日本人数はピークの217万人に達しました。とこ
ろが、その後は減り続け、2009年には半分以下の100万人前後にまで落ち込み
ました。現在は、横ばいの状態が続いているようです。今回、旅行していて、
確かに日本人が少ないと感じました。(その代わりに凄い数の中国人がいまし
たが) イタリアへの直行便廃止は、商売上の素直な反応なのだと思います。
その理由としてクローズ・アップされたのが、サービスの悪さです。
ローマの外交関係者は「ホテルやレストランなどのサービスが非常に悪いこ
とも背景にある」と指摘する。世界遺産などの観光資源をあてにした「殿様商
売」をしてきたため、サービス面の充実を怠ってきたというのだ。また、レス
トランやタクシーで法外な料金を請求される「ぼったくり」などの影響で、
「何度も訪れるリピーターが減った」
直行便廃止と冗談では済まない日本人観光客の激減に、呑気なイタリア人も
慌てふためいたようです。2009年 7月に下記の事件が──
6月19日、ランチを楽しんだ日本人カップルが支払いを済ませようとした。
ところがウエイターが持ってきた勘定書を見てびっくり。前菜が142ユーロ、
パスタが208ユーロなど食事代だけで約580ユーロとなっていた。1ケタ
間違っているものと思い、クレジットカードで支払ったところ、領収書にはチ
ップとしてさらに約120ユーロが勝手に上乗せされ、合計で約700ユーロ
になっていたという。
カップルはレストランのオーナーに抗議したが相手にされず、警察に駆け込
んだ。ローマ市当局がレストランを調べたところ、衛生上の問題があることも
わかり、すぐに営業停止処分が下された。
オーナーは「カキ12個に巨大なロブスター、超高級な魚を注文したから
だ」と反論しているが、アレマンノ・ローマ市長は「この店は二度と開かせな
い」とカンカン。
面白いのはイタリアの対応です。
よほど日本での評判を気にしたのでしょう。
イタリアのブランビラ観光相は21日、ローマの有名レストラン「パセット」
で法外な値段を請求されたぼったくり事件について、被害にあった日本人カッ
プルに謝罪し、イタリア政府の費用負担で再びローマを訪れてくれるよう呼び
かけた。個人的トラブルに対して国家が声明を出すのはきわめて異例のことで
ある。
イタリアでの旅のトラブルをネットで検索でもすれば、山のようにヒットし
ますので、是非、参考にしていただきたいと思いますが、これらを総てイタリ
ア人のせいにするのも、フェアではない気がします。世界中から観光客の集ま
る場所には、泥棒もまた世界中から集まってくるからです。
例えば、今年一月の記事ですが──
ANSA通信によると、ローマの地下鉄で昨年末からすりを繰り返していた
とみられる日本人の男(35)が、14日までに地元警察に逮捕された。アジ
ア人的な風貌から「地下鉄の忍者」のあだ名で乗客らに恐れられていたという。
こうなると、日本人だからといって、あまり被害者面もできませんね。
今回、前回と違う点として特に印象に残ったのは、移民たちです。
ミラノでは、どうかすると三人に一人は移民なのではないかと思えるほどで、
それこそ多種多様な人種の人々が歩いています。それがいいことなのか悪
いことなのかは分かりませんが、今回の旅行で差別的な扱いが全く無かった
理由なのかも、と思います。
( 自分は以前ウィーンで差別的な扱いを受けたことがあります )
最近のイタリアの景気はどうなっているのでしょう。
PIIGSという言葉があります。
すなわち、ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペインのこ
とで、EUのアキレス腱とされています。
以下は 2014年5月の記事です。
仏・イタリアの出遅れ鮮明に 成長率、ユーロ圏平均下回る (リンク)
数字から言うと、あまり芳しくないようですが、ミラノやトリノの中心部で、
旅行者がそれを感じ取るのは難しいと思います。表通りは高級ブティックが立
ち並び、大勢の人々が歩いています。シャッターの下りた商店が目立つという
印象もありませんでした。
特に2015年は、ミラノで国際博覧会が開かれるとのことで、特に活気に溢れ
ていると感じました。
イタリアが変わったかどうかは、ちょっと旅行したぐらいでは、よく分からな
いという結論になってしまいましたが、旅の心構えとしては、次の一言に尽き
ると思います。
敵を知り己を知れば、百戦危うからず
さて、次回はイタリア旅行の実践編に移りたいと思います。


