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第4章 「脱出」 第15節 は 9月15日 に投稿します。
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第4章 「脱出」
14. ヴィート
「待て!」
前方に倒れたジェラルドと、その息の根を止めようとする黒鷲ジルドが
見えた。
「お前の狙いは俺だろう! 望み通りに出て来てやったぞ」
突進してくる俺の姿を認めると、咄嗟にジルドは馬を返して騎銃を俺の
方に向けた。
「卑怯者、男なら剣を抜け! 俺と勝負しろ」
「いいだろう」 ジルドは悠然と銃を剣に持ち替え、乾いた笑い声で言った。
「望み通りその首をこの剣で撥ねてやる。 この時が来るのを待っていた
ぞ。 汚い裏切者め!」
「お前のような殺人鬼の仲間になど誰がなるか」
「いまさら聖人面しても遅い! 先に地獄に送り込んでやる」
前足を蹴り上げた馬と馬が空中で体を押し合い、二本の剣が青い火花を
散らして衝突する。