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第4章 「脱出」 第13節 は 9月13日 に投稿します。
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第4章 「脱出」
12. エウジェニオ
アンセルモまでが何だよ、俺を置いてくのかよ。
俺は自分の特大のマスケット銃を抱えて、バリケードを乗り越え、自分
の足でアンセルモの後を追った。 お前らはいいよな、馬に乗れてよ。 馬が
俺を乗せるのを嫌がるの知ってるだろ。
森に流れ込んだ白煙で、すぐに前の三人の姿が見えなくなった。
マスケット銃を抱えて走る俺の前に、突然、姿を現した鉄帽子の敵兵に
早速、一発お見舞いしてやった。 至近距離からの一撃で吹き飛ばされた男
の魂のために、俺は胸の内で神に祈った。 しかし、次の銃弾と火薬の装填
で、両手は一瞬たりとも止まることは無かった。 祈りながらも、頭の中で
時を数える。
次の弾丸と火薬を装填するのに二十秒。
さてと、次に祈ってほしいのはどいつだ? さっさと出て来やがれ。