第2章 第一節 (序) ベラスケス作 ローマ教皇インノケンティウス10世の肖像   | アルプスの谷 1641

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1641年、マレドという街で何が起こり、その事件に関係した人々が、その後、どのような運命を辿ったのか。-その記録

 
本ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。
 
 
変則的になりますが、今回は第2章第1節の「序」 とさせていただきます。
第1節本編は、明日、投稿します。
お時間ある時にお立ち寄りいただけると幸いです。
 
 
( 全体の目次はこちら(本サイト)からご覧いただけます )
(第一章の最初から読む )
 
 
 

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第2章 「ヨーロッパ1655

 
 
1. (序) ベラスケス作 ローマ教皇インノケンティウス10世の肖像
 
 
 
  第2部 「異端の谷」、第2章「ヨーロッパ1655」、最1節に入る前
 
にベラスケスの手による一枚の絵をご覧いただきたいと思います。

アルプスの谷 1641

  ローマ教皇を描いた肖像画は数ありますが、この絵ほど有名なものは他にあり
 
ません。 有名になった理由のひとつは、勿論、ベラスケスの天才を伝える傑作で
 
あるからであり、もうひとつには、約 300 年後、現代美術のモチーフとして取り上
 
げられられたからです。 ( これについては月曜に回を改めて、ご紹介します )
 
  驚くべきことに、ベラスケスは本人を見ながら描いたのではなく、二、三度教皇に
 
謁見した後、その記憶でこの絵を描きました。しかも、背景を見て分かる通り、比較
 
的、短時間で仕上げられています。 にも関わらず、この絵は、単に正確に外見を写
 
し取っただけでなく、その才能により対象の内面までをも描き出しているのです。