マリッジリング
今日、渋谷まで結婚指輪を見に行った。
実は先週もいってて、幅2㎜の比較細いもので決まっていたのだけど、向こう(彼女)が、「指輪細いとドアに挟まれたときに指切断される」というので、もっと太いのを所望した次第。
2回目である。
前日にアホほどトレーニングをしたり、夜中に9時間くらいダーツしたり(メチャクチャ負けた)、病み上がりだったりで、すこぶる体が重かったので正直めんどくさかったけど、まあすぐ終わる用事なので。
一緒に行くことに。
宮益坂を登ってちょっと入ると店は少なくって行くのだけど、いよいよ何にもなくなってビルばかりになってきたところに指輪屋さんはある。
公民館を思わせる古いビルだ。中にはいって、"一度でて"、ようやくお店。
どうしてわざわざこんなところまで? というのは向こうさんのお友達の彼女がそこで勤めているから、とのこと。
入ってすぐに目をひくのはウェディングドレスを着たマネキン。頸がないやつ。こいつが入り口の正面にある。
次に目に入るのが陳列された指輪たち、なのだけど、奥には(ガラス越しに)工房があるのでそっちのほうに目がいってしまう。
すぐにお友達(店員さん)が現れる。汚れたエプロン姿だ。誰に似ているとかは特にないけど、なんとなく、エッセイ書いたら面白そうな感じがする外見の女性だ。
(実は予定の1時間遅れで来ていたので、申し訳なく思う。先週も遅れたのだ。よくない)。
詳細は先週受けていたので、僕の左側に座った向こうは、サクサクと選ぶ。
一方僕は、正直もう指輪には興味がなかったので、店内の様子を見ていた。
というのも、このお店は面白いのだ。
結婚指輪屋、なんていうと、やたらめったらキラキラしてて男からしたら眩しくてしょーがないものを思い浮かべると思うが、このお店は違う。
別に汚いとかでもないけれど、キラキラな店に比べると、明らかに内装は見劣りする。
さすがに指輪はケースにしまってちゃんと並べてあるけれど、まず、記帳台(トランプ大統領がなんか喋ってるときに使うあの台だ。あれの簡素版)の後ろがみえてしまう。
ハワイアンな音楽が流れるスピーカーの上には、数枚のCDとiPadの箱。
ふーん、と思って見回すと、ウェディングドレスで目がとまった。
ドレスが若干汚れている。埃だろうか。マネキンも薄汚い。
床もキラキラなお店なんかと違って地味な色。
意匠にこだわるひとなんかからしたら、この時点でかなり嫌気がさしてしまうんじゃないかと思った。
正直、最初にきたとき僕も思ったし。
売り物である指輪を最高の形で見せる努力がない、と思ってしまったのだ。
自分だったら床はもっと可愛くするし、マネキンとドレスは毎日掃除させるし、CDと箱なんて絶対に見せない。
大丈夫か?と思ったのが先週。
まあ、もう一回きているくらいなので、その辺は納得している。
何故か。
むしろこのお店は内装に気を使うべきではないから、だ。
というのも、ここでは職人が直で指輪を売っているのだ。
指輪を作るひとは、"指輪以外に最高のもの"は用意する必要はない。内装に金使うくらいなら、小数点以下の世界で指輪の歪みを直してもらったほうがいい。
築地が(今は豊洲か)三ツ星レストラン並みにキレイだったら皆あそこで魚は買わないだろう。それと一緒だ。
ということで先週来たときから僕はこの店を信頼してしまっていたのだ。
だから、もう一度きて選ぶのがアホらしかった。ここの職人がいいっていうなら僕はそれがいい、と思うから。
店がそんなにキレイじゃなかったから、僕は信頼した。
そしてもう一つ、僕がここの指輪を信頼した理由がある。
向こうの友人の"彼女"である職人さんは、"女性の彼女"、なのである。
レズだ。
最初、そう紹介されてもわからなかった。
何度か説明されて、あ、ああ~!って感じ。
はっきり言って魅力的だった。
彼女は、結婚指輪を指にはめることができない。
なのに、多くの男女の幸せを象徴する指輪を作り続けている。
こんなに魅力的で、信頼のおける指輪がどこにあるだろうか。最高だ。
嘘でなく、この指輪を買うならいくら出してもいい、しかもどんなものでもいい、と思った。
金もないし特に秀でた才も別にないから、貧乏なんだけど、そういうマリッジリングをはめて結婚するなら大丈夫だろうな、と思った次第。
ゴキゲン。
インファナルアフェア3部作~死んで英雄になった男と、生きて地獄を味わい続ける男の話~
舞台は2002年香港。
マフィアという悪の出自ながら、警官を続けるうちに「善人でありたい」と願うようになったラウ。
警官でありながら、潜入するうちに兄弟分に愛着が沸いてしまったヤン。
二人は各々、善と悪の彼岸のうちをさまよう。
結局、ヤンは正義であること選び、散り、
ラウは悪であることを捨てようとして、生き地獄を味わう。
本作はヤンとラウ、二人に焦点を当てながらも、
物語の主軸は「死ぬことなく独り無間地獄(インファナル・アフェア)に堕ちたラウ」が
なぜそんな運命を辿らなければならなかったのか、という過程を描いた点にある。
色々端折ってしまうが、一言でいえば、ラウは自分勝手すぎるのだ。
愛した人が自分のものにならないと分かれば、(直接ではないけど)殺し、恩人であるボスを躊躇いなく裏切り殺し、
そうして沢山人を殺しておいて尚、己は善でありたいと主張する。
余りにも勝手だ。自分が神様だとしたら、間違いなく地獄におとす。
そう。ラウは幸せになってはいけない人間なのだ。
躊躇いもなく人を殺すような奴なので、もちろん、”善人”が何たるかがわからない。
それでも善でありたいと願う彼は、善人のイメージとして己と似たような境遇であり、正義を貫き死んでいったヤンと自分を重ねるようになる。
しかし、ヤンになるこはもちろん叶わない。根っからの悪人で、善が何かを理解できないからだ。
男性が女性の苦しみを知ることが叶わないのと同じ次元で、だ。
ラストシーンで「ラウ・キンミン(=自分自身)を捕まえる」と警察署のど真ん中で叫ぶが、これまで犯した所業とヤンという善人のイメージの乖離の末に、
彼の精神は分裂してしまう。
自殺すら失敗し、ラウはその後、これまで死んでいった人間に毎日殺される、という幻想に苛まれ生き続けることとなる。
それでも尚、ラウに憐憫を感じてしまう。
本作の見事なところは、ラウに全く同情できないのに、可哀相と寂しく思ってしまう点だ。
というのも、彼は彼で、一生懸命善人であろうとしたからだ。
どうしようもなく血なまぐさい、己の手を拭おうとした。
問題は、彼の手についた血の量がとても拭いきれるものではなかったこと。
もしもだ。
ラウがそのことを自覚し、ならばせめてもと自首をするなり、仲間である黒社会を裏切るなりして死ぬことが出来れば、
彼は死して英雄になれたかも知れない。
蜘蛛の糸のカンタガ理論だ。
毎日先生をぶん殴ってるようなクソヤンキーが、おばあちゃんに電車の席を譲れば、その小さな善が際立つあれだ。
まあそうしたところで、善人とはいえないのだけど、せめてもと。視聴者はラウに同情できたかもしれない。
繰り返すが、ラウには全く同情できない。
もしもラウの罪を裁く裁判があるとしたら、自分は間違いなく死刑を言い渡すだろう。
けれど。
善を理解できないのにそうあろうとした姿は悲しく、愛おしさすら感じさせるのだ。
そんな、インファナル・アフェアに堕ちた悪人の話が本作だ。
死ぬほうがマシだと思える地獄は、凄惨な暴力でも精神の破壊によって堕ちるものでもない。
叶わない願いを抱くことによって堕ちるのだ。
善が理解できない、哀れな男の話だ。
煙草の火種がよくおちる日々
会社の喫煙所で煙草を吸ってると、あっつい火種がよく落ちる。
シケモク吸うおじさんみたいだな、とおもいながら短くなった煙草に火をつけている。
というのはどうでもいいんだけど。
気づけばゲームプランナーになって1年がたとうとしている。
本当に1年も経ってないのか、とよく人に聞かれる。
確かに、つい1年まえまで、オッスオラニート状態だったんだけどさ、
億規模のプロジェクトでADVのディレクション任されて、先方の気まぐれに踊らされて・・・。
いやー、そんなこと。1年前じゃ想像できなかったよね。
かと想ったら二週間後には結婚の挨拶にいく。
いやーそんなこと、1年前じゃ想像できなかったね。ホント。うん。
というわけでこの1年について書いてみようと想う。
入社したのが1月。
20社受けて受からなかったらもうやめよう、と思ってうけまくった。
結果は15社中の2。一つは親会社が占いサイトやってる微妙な会社。
社長がなんでんかんでんの川原さんに似てたから、内定辞退した。
で、もう一つ受かった会社に入ったわけ。
入社して2日目で、ギルド戦のイベントをまかされた。
ぶっちゃけ意味不明である。結局、1週間遅れちゃったのでめっちゃ怒られた。
設計やったことない素人にまかすなボケ、と思った。
でもまあ、なんやかんやでてつだってもらって完成。
そんないいモノでもなかったけど、お客さんはそれなりに遊んでくれていたみたいだ。
というのも、俺が設計したイベントをやっているヒトほど離脱しなかったのだ。
で、3月くらいに企画は俺一人になってしまった。
どうすんねんこれから、と思ったけど、何故か俺一人になってからのほうがうまく行った。
具体的に云うと、残業時間が半分になった。
それから、ディレクターについていって社外会議とかやるようになって。
協力会社のコンサルをバカにしまくったり、
比較的穏やかに過ごしてたらサービス終了。
赤字だったし、新規案件が入ってきたからさ。会社としては当然の決断。
で、やがてその新規案件に。
100億稼ぐぜ、といってる割りに企画は3人しかいないとか。
バカか、と思いながら読みにくい資料を漁る日々。
次の協力会社は脅せば人を思い通りに動かせると思ってるやつ。
生理的に無理なタイプだったけど、まーそこまで問題じゃなかった。
新規案件のβの〆直前。
結論を言うと、間に合わないだろう。
いや、全然作業的にはいけるんだけど、
納品2週間前で全セクションを動かすような変更かけてくるからさ。先方。
頭よくないだろうけどさ、それでもわかると思うんだよ。
今覆したら間に合わないことくらい。
それって多分さ。
βに間に合わないとわかってるってことなんじゃないかな。
そのとき、役員からぼこぼこに叩かれて職失うのは自分だからさ。
なるべく責任転嫁しようとしてんじゃないかって、思っちゃう。
じゃなけりゃ、契約書の内容無視してまでうちのせいにしてこないじゃん?
フツーにバカだと思ったけど。書いてあるのにさ。あなたの責任ですって。
でもそうなったらうちの会社も共倒れだと思うんだよね。
かといって、思惑通り全部うちのせいにされて困るし。
前門の狼、後門の虎とはこのこと。
困ったもんだぜ。
ただそんな状況でも、外部からすげー人がきたりする。
日本のADVの礎を気づいたヒトとか、音響でゲームの歴史をつくったひととか。
それはとても素晴らしい。
にじみ出る誇りがカッコいい。
率直に、俺もそうなりたいと思った。
その人たちが何を感じてんのか、興味あるなー。
ただの愚痴になってしまったけど、まーそんなところ。
夏が死ぬとき~尻か死か尻~
ちゃんとした社会人になって一年目の夏。
週に3回くらい食ってたラーメンはいまや月1の高級品となりはてた昨今。
会社に所属してなかった頃に比べて、お金がない。
なので旅行にいけない。
これは大学四年以降はじめてだ。夏に旅行にいけないなんて。
家でなきゃいけないから金溜めないとはいえ、由々しき事態である。
昔々、石川啄木は「働けど働けど、なほわが暮らし楽にならざり。じっと手をみる」
といったそうですけど、そんな感じっすねほんと。
けろっとした顔で一人暮らししている人すげーなホント。
俺はもう好きなソフビもろくにかえないから死にそうだよ!ちくしょー!
でも買っちゃったよ。もうしらん!
楽しい事のできないほうがお金ないより嫌だって。
なので旅行も行こうと思う。
青春18切符かな?
ローカルで関西のほう行くと静岡が嫌いになるよね。
熱海から浜松まで2時間くらいかかってさ、うんざりするのだ。まだ静岡?って。
静岡に罪はないけど、ちょうどそのくらいからずっと座ってるからお尻が爆発するんだよね。
尻大爆発。
それともバイクでいけるところまで行こうかしら。
轢かれたら一瞬で死ぬから怖いし、ヘルメットのなかクソ熱いから嫌だな笑
尻か死か。
なら尻でしょ。
いやまてよ。
バイクにずっと乗ってても尻痛くなるよな。
結局尻かよ。
と、そんなこと考えてる28回目の夏でした。
夏、あと100回は迎えたいなあ。
好きだから。無理か。
ならせめて夏が終わるとき死にたいよね。
夏の死とともに去りぬってね。
ダンガンロンパV3 感想~ネタバレあり~
「ダンガンロンパV3 感想~ネタばれあり~」
まず、Amazonのレビューでも多かったけど、オチがひどいということについて。
自分もそう思う。
これまでのロンパが全否定されたとか、そうは思わないけど、あのオチはひどいし単純につまらない。
喩えるとこんな感じかも。
テレッテテレテ♪×2(三分クッキングのBGM)
キューピー三分クッキング♪。
材料は、ニンジン、タマネギ、ジャガイモ、お肉、カレー粉。
さ~て。今日のお料理は何でしょう?
正解は…わたあめでした~。ちゃんちゃんっ。
材料全く関係ないやん!
つーかわたって、どこが飯やねん!!
とまあ、こんなテンション。
ヒント(垣間見えていた真実)と正解(結末)があまりにも関係なさ過ぎるってこと。
ミステリーとしては、禁じ手もいいところじゃないのかな。知らんけど。
でも、禁じ手を使うこと自体は悪いことじゃあない。
使うなら使うで、面白ければそれでいい。
だって、明らかにカレーなヒント並べられて、実際に出てきたのが飛騨牛のハンバーグだったら許せちゃうじゃん。
ようはそいつと同じ。
けどまあそんなこともなかったのが、一番問題なのだと思うのです。
正解がカレーでもなければ、カレー以上にいいものでもなく。
それどころかわたあめだったら。
キレるっしょそんなの。キューピーのことボコボコにするでしょ。
と、以上がオチについて。
ここからは細かく。
まず推理要素について。
全部簡単すぎる。
自分は超高校級に非論理的な人間なんだけど、それにしても簡単だった。
ちょっとでも論理的な人だったらなおさら簡単なのだと思う。
「絶対に正しいといえること」とは何かと考えれば、すぐにわかっちゃうと思う。
数学の偏差値が50以上あった人なら誰でもわかるんじゃないかな。って感じよ。
特にひどかったのは三章。犠牲者を見つけてから二秒でわかって、捜査も裁判もかったるかった。
いくら民俗学者とはいえ「霊を呼び戻す」という【嘘でしかない】儀式を【遺体発見直後のタイミング】で行うのはおかしすぎる。
普通そんなことしてないで、捜査するってのにさ。
なんで皆それに納得してすんなり従っているのか。意味がわからなかった。こいつらチエオクレなのかなって思っちゃった。
(それで茶柱サンにも魔女っ子ちゃんにも感情移入ができなかったり)
これをプロが考えてんだとしたらやめちまえよっと。そのレベルでひどい。
つぎにひどかったのは一章。
犯行可能なのが誰か、と考えたら捜査の時点で犯人は赤松ちゃん・最原クンの二択だし、犯行現場をいじりまくっていたのが誰かって考えれば赤松ちゃんの一択になってしまう。
四章もひどい。
王馬クンの思考傾向を考えると、直接手を下すわけはないし、利用するとしたらゴン太クン以外に考えられない。トリックも最初から全部わかってしまった。
二、五、六章、も難しくなくて残念だったけど、特にひどかった章についてだけ書いた。
次は人物描写について。
あまり良くなかったと思った。
「コロシアイを通じてキャラクターが人間的に成長してゆく」というのがないと話自体に面白さを見出す要素がなくなっちまうわけだけど。
今回の成長する子がはっきり言っちゃうと退屈だった。でしょうね、って感じで。
要は、最原クン、ハルマキちゃん、魔女っ子ちゃん、三人の成長譚が微妙だった。
最原クンはプロローグ~一章で人間的成長は止まっている。
ハルマキちゃんはロンパ1の霧切サンと被る。
魔女っ子ちゃんは、宗教の子、レズの子の死を乗り越えただけでつまらない(成長が3章で終わってしまっている)。
それならば、希望を見出したところで殺されてしまうほうが話としては盛り上がる。
だもんだから、四章の犠牲者は魔女っ子ちゃんだと思っていたくらいだ。そういう書き方だったし。
つうか三人とも、最初から人間的にさほど問題を抱えているわけじゃない。
それが退屈だった最たる理由。
戦闘力が10しかなくて、山猿みたいだったゴクウが、42億になってブウをぶっ飛ばすのと、
最初から20億くらいあってスーパーサイヤ人3にもなれて、ブウをぶっ飛ばすの。
どっちのほうが面白いのか、というのと一緒だ。
その意味で成長を描くべきだったと思うのは、
超高校級の発明家・入間美兎ちゃんだった。
半端なく唯我独尊で独善的なのにも関わらず、死ぬほど打たれ弱い、だなんて。問題しかなかったのにさ。
いくらでも成長させる余地はあったのに、ノータッチでなんとなく死んでしまったのがものすごく残念だった。
自分だったら入間ちゃんを、最初は誰も信じられなかったけど、最後は最原クンたちを信じて死ねるとか生き残るとか。そんな風に描いたかな。
それか、サイコパスも青ざめるほどサイコな殺しをさせて、最後まで誰も信じられずに悲惨に処刑されるとか。
どっちに振っても面白くなるキャラクターだったのに。
それが、作中一番と言っていいくらい、ものすげーテキトーに死んでいったわけだ。
見せ場ひとつもなく。
正直それで萎えちゃった。。
皆が死ぬかも殺されるかもっつって戦々恐々としてるなか、一人だけ下ネタ全開でダンコンロンパしてて面白かったのに。。
バカでビッチで下品で口悪くて。。巨乳だったのに。。
…巨乳は関係なかった。。
設定、展開、オチ全部について言えるのは、意外性をねらうあまり、つまらなくなった。
という感じかな。
とまあ、滅茶苦茶にコキ下ろしちゃった気もするけど、全部が全部そうでもなかったのも事実。
描き方は雑だったけど、「嘘」という作品テーマは面白いと思ったし、なるほどなって感じだった。
カスタマー至上主義へのアンチテーゼとしても、あってもいい作品だとも思った。
今のご時勢、パンキッシュで。そこはいいと思う。
パンクを忘れたらダメになっちゃうよ、という意味でいいと思うのだ。
もちろん、お客さんの意見を蔑ろにしたら、もうその時点でオワコンだけどね。
ただ自分は、お客様が神様ってのが好きじゃないので。
二章の犯人・キルミちゃんは凄くよかった。
民俗学者クンも言っていたけれど、誇りも気品さも全部かなぐり捨てて、生きることへ執着するのは理解できた。
ああいう子は現実世界にいても好きになったと思う。人として信頼できる。
三章の犯人・真宮寺クンのサイコな思想もグッド。
もちろん周りにあんなやついたら嫌だけど、あそこまで振り切っているキャラクターはフィクションとしてグッド。
自分と思考が似てるってのもあるかもしれない。
それとやっぱり入間ちゃんはグッド。
単純に、その場にいて楽しいキャラ。あと巨乳。可愛い。あざす。
キルミちゃん、入間ちゃん、真宮寺クンが生きていた時点まではケッコウ楽しかったなあ。
王馬クンはおしかった。
小物感がなければもっと好きになっていたと思う。
逆にそれ以外のキャラは終始どうでもよかった。
以上がロンパV3への感想。
短歌について
「野球する?」何をするのかわからずに「うん」と答えて夏のスタート
飛ぶ教室に載っていた、藤本玲未さんの句。
藤本さんの句は、
糸電話片手に渋谷ぶらついてこちら思春期早く死にたい
学校の自転車置き場で待ちぶせたいつもの話はさせてあげない
ガーリッシュな句も好きだが、今回はこの句が一番好きだと思った。
短歌について人並みに知らないが直球で好きだと思った。
まず情景が鮮やかだ。
憎たらしいほどの青空。でっかい雲もある。人を殺すほどの日光。
昼くらいの時間。夏制服の少年が二人(個人的には少年と少女がいい)駄菓子屋の前にいる。終業式の日だから、学校は午前中で終わったのだ。
二人ともまだ日焼けしていない肌をしていて、汗が冷えてきたため、少しだけ寒いと感じている。
二つに割ってチューチューするシャーベットでも吸いながら、二人はそんな会話をしている。
こんなところだが本当はもっと情景は浮かぶ。
僕は子どものころ夏休みは永遠に続くものと思っていた。もちろんそんなわけないが、開放的な陽気とこれから体験するであろう非日常に心が躍ったのだ。
昼間にやってる「キッズ・ウォー」を観るのもいいし、ちょっとだらけて「大好き五つ子」も観ちゃうのもいい。
夜七時になっても空はまだ明るいものだから、調子にのって野球をやってると、帰ったときに怒られる。
かたや親元を離れて南のほうにいって、死ぬほど海に入って黒人の子どもみたいに焼けたり。
虫がさわれないのに蝉取りにいって、途中で飽きて隠れて持ってきた花火をやったり。
夏休みの最初の日とは、そういう非日常がこれからはじまるよ、という開始宣言の日だ。
だから僕は夏休みの初日が一年で一番好きだった。
それでいて夏休みの初日の感じは大人になっても覚えている。
藤本さんのこの句を読んだとき、ぱっと浮かんだのは中学生くらいの男女だったけれど、夏休み永続信者だった僕は、小中とやってることはあまり変わらない。そういう宝物のような思い出が蘇ってきたので、僕はこの句がいいと思った。
あれほど取るのが簡単だった外野フライは、今はもう取れない。目が悪くなったから見えないのだ。そんな寂しさも感じつつ、良き時間を思い出してちょっと幸せになったり。
