「新しいノート」 | 酔狂の詩(うた)

「新しいノート」

いまひとつの物語を書き終えた君は

静かにペンを置いて 瞳を閉じた


こぼれ落ちた涙に濡れて滲んだ文字

ところどころ読めなくなった最後のページ


でも 書き直さなくていいんだよ


1ページごとに刻まれた

ありのままの君が そこにあるのだから


1冊のノートに綴られた

ありのままの君が 素晴らしいのだから


色んなことがあったね・・・


いっぱい喜んで

いっぱい怒った

いっぱい泣いたけど

もっといっぱい笑った


かけがえのないものを たくさん手に入れたね

全てがまぎれもなく 本当の輝きを放っていたね

間違いなく 何もかもが純粋だった


結末は悲しいものだったけれど

傷つき 壊れそうな想いに身を焼かれたけれど


君は何も失ってなんかいないんだよ


だからもう 泣かないで


さあ顔をあげて窓の外を見てごらんよ

澄み切った空気の中に浮かぶ月明かりが

明日はいい天気だと教えてくれている


だからいまは そっとおやすみ

ノートを閉じたら ぐっすり眠ろう


また明日 やわらかく暖かな日差しで目覚めたら

新しいノートを買いに行こうよ


まだ見ぬ未来と 真っ白なページに思いを馳せて


今度はどんな物語を紡ぐのか

ワクワクしながら出かけよう


君がこれから書き綴る新しいノートは


きっと・・・


もっと素敵なものになるはずさ