仕事を辞める=ゲストハウスを出る
この図式は、イコールにしなくてもいいのだけど、けじめだと思った。
最後まで続けたなら、しばらくは居てもいいとは思うけど、途中退社の人間は出ないといけない。
住む所…
ふっと頭に浮かんだのが、猿だった。
以前仕事が見つからなかった時、「家に来ていいよ~」と言ってくれていたのを思い出した。
でも、そんなに甘える気はなかったし、最終手段としての切り札的な存在だった。
猿の家なら、安心。
一時的な避難をさせてもらえないかな…とすがる様な気持ちで連絡してみた。
返事は、「いつでもいいよ~」
ありがたい、ごめんなさい。
そして、いつものごとく「ご飯行かない?」とお誘いがあったから、いそいそと出かけた。
ご飯を食べながら、ふとまじめな顔をして、
「家に来るなら、ひとつだけ言っておくけど…」
ドキッとした。
猿は、家の鍵を掛けないほどゆるい人だったから、決め事は無さそうな気がして甘えていた。
「俺、掃除とかしないよ。」
…
知ってる。
居候させてもらう間は、せめて家の中の事ぐらいはやるから。
これで、一番の心配事が無くなったよ。
本当に本当にありがとう。
いつもごめんね。