辞めると決まって、怖かったものの一つ、仕事の相方。
おそらくもう、オーナーから聞いているだろう。
午後出勤の彼が来る時間が近づくにつれ、胸が握り潰されているように感じた。
どうされたって仕方ないんだ。
どう言われたって仕方ないんだ。
となるべく平常心を保とうとしてた。
普通に、普通に…。
出勤してきた彼は、あっけないほど普通だった。
いや、いつもずっと小言や愚痴を言われるのに、あまり言わなかった。
しかも辞める事には一言も触れず、さっさと姉妹店の作業に出掛けて行った。
どうゆう事なんだろう…。
相方が帰って来るまでが異常に長く感じた。
聞いてないなら言わなきゃ…と焦ったけど、タイミングが見つからなくて、今日は諦めた。
帰りしな、地元の友達から、大丈夫?と連絡が来た。
一人でやり遂げたくて始めた日本一周だったのに、よりたくさんの人に心配をかけている。
ありがたいし正直嬉しいけど、本当に申し訳なくて、情けない。
「甘えさせてくれる時には甘えなさい」
甘えさせてもらったぶんの感謝を、どうやったら返せるのかな。
ゲストハウス生活終了のカウントダウンが秒読みに入った。