日本を見た。
日本を走った。
もはやかけがえの無い相棒と共に
纏わり付くしがらみと共に
死んでも離れられない自分と共に。
自分を許せなかった。
自分から逃げたかった。
自分から捨てたかった。
自分の為だけに旅に出た。
旅路の途中、沖縄に停泊した。
旅に出れば私は変わる、と確信していたのに、何にも変わっていなかった。
また逃げたくなった。
どこまで行っても付きまとう、自分の感情と、自分への感情。
それが、私を汚す。
それ自体ではなく、私のフィルターを通す事によって。
後悔する為の目録は溢れ、
さらに日々蓄積していく。
くぐもったメガネで、焦点が合わないほど近くからしか見る事が出来ない。
でも、気づいた。
気づいたんだ。
『この先』に、道は続く。
何一つ、無駄じゃなかった。
まだ、探していた『何か』は見つかっていないけれど、
素直で健全な自分は、少し、見つけることが出来たから。