不思議に思う。

私には、帰る所がある。

旅の最終目的地、盛岡。


沖縄で働き始めた頃は、慣れない環境で、とにかく必死だった。

今は、環境にも慣れて、自分のドミトリーに入ると、安心するようになった。

私の帰る所はゲストハウスだと、体が覚えたのだ。


職場のベランダから、何気なく外を眺めていたら、これが日常であると、はっきり自覚した。


帰る所があるのに、違う日常…。


不思議だ。


旅のさなかは、まるで物語りでも見ているような感覚で思い出す。


多分、ここを離れれば、この日常が物語りのように感じるんだろう。


そうやって、人生と言う物語りが出来て行く…。


そんな風に考えてたら、時間がすごく愛おしく感じ、同時に、ザルで砂をすくっているような虚しさも感じた。



『人』って、『状態』なんだな…