私、気になってた。

でも気付かないふりしてた。


そのせいで、取り返しがつかなくなってる。




フラフラと走って帰った。

いつまでも目をつぶってはいられないからと、
タオルとふくピカ片手に、挑んだ。

相棒の汚れに。


落ちない…。

泥も酷いが、サビも酷い。

擦っても擦っても、輝きが戻らない。

手も足も真っ黒だけど、相棒は、もっと黒い。

渾身の力を込めて磨くが、タオルでは限界がある。

かと言って、ブラシがある訳でもなく、ふくピカでさらに磨く。


メッキの輝きはだいぶ出て来たけど、サビが…。


擦り続けたら、少し、落ちた。

でも、大切なエンジンの細かい所までは手が届かない。


…限界か。


ほったらかしの代償は、輝き命のアメリカンには大きすぎた。



重い足取りで、出かける前に干しておいた洗濯物を取り込みに行く。


おや?何かおかしい…。


って、Tシャツが無ーい!!!

風か?盗まれたか?!

周りを探してみたが見つからない…。

何てこったい。

ギリギリにしか持って来て無いTシャツが1枚無くなるなんて…。

踏んだり蹴ったりだー…。



…あれ、よく考えたら、全部原因自分じゃね!?