すっかり日も落ち、暗くなった道を走る。
フェリーは朝5:50発だから、どこかで一眠りしなきゃ。
初日に行った、手づくり感満載の漫画喫茶へ。
案の定、ネットしてしまって、ほとんど寝れなかった。
ラストラン。
S氏に港まで、見送りして貰う。
鹿児島行きのフェリーは今日の夜発。
先に旅立つ。
思うのは、ただ、感謝。
楽しく旅が出来た事も、私を、旅人として扱ってくれた事も、
結局ずっと先を走ってくれた事も、
あれもこれも何もかにも…。
泣いてしまわないように、努めて明るくしていた。
出港時間が近づいて、船に乗り込むときも、笑顔で別れた。
船に乗り込むと、あっさりと別れた事を後悔した。
バイクを止め、再び船を降りた。
S氏は、辛くなるから…と甲板への見送りはしないと言ってたけど、
降りたら、甲板が見える所に立っていた。
後ろから膝カックンをかまし、明るくしてようとしたけど、ダメだった。
二人で、フェリーを涙目で見てた。
今生の別れじゃ無い。
お互い前を向いて進んだ結果、旅で合流し、旅で別れる。
地元でやりたい事があるS氏と旅を継続する私。
笑顔で別れたいけど、寂しさに勝てなかった。
励まし合い、感謝し合い、がっちりと握手をして、私達は本当に別れた。
ありがとう。
いつ帰るか分からないけど、いつか、地元で酒でも飲みましょう。
遠ざかる奄美大島とS氏。
寂しいけど、寂しさの虜になんかなってられない。
私の旅は、ついに前半戦終了へと進み出したんだから。