雨が降り出して、かなり寒い。

来た道を戻る。

湿っていた道は、雨を含みズルズルとよく滑る。

怖々ゆっくり走ると、小鹿がこちらを見ている。

好奇心に勝てず、ビクビクと見てる様子は、たまらなく愛おしかった。


雨は激しさを増す。

人を拒むようにもうもうと霧を纏う山。

何度もヒヤッとしながら、何とか広い道にたどり着く。

里は暖かい。


スーパーでビールを買い込み、ライダーハウスに戻る。

ホッと一安心。


救援物資第一弾で貰ったホタテの貝柱を、米と炊き込む。

ゴージャスで美味!!

炊き上がりも上手くいった。

満足して、ビールを流し込む。


ここは、とても居心地のいいライダーハウス。

オーナーさんが女性だからなのか、細やかな心くばりがいたる所にある。


雨も止み、良い夜…。

何て幸せな夜。