たっぷりと水分を含んだ空気。

道はしっとりと濡れ、いたるところに川が流れ、小さな滝を作る。

雨量の多さを物語る苔は、少し押すだけで、水が溢れる。

そんな環境にある植物達は、私の想定外の勢いで、森を形成する。

例えば、一週間、同じ所に立ってたら、森に飲み込まれるだろう。

山を上って行けば行くほど、古い森になっていく。

徐々に徐々に、数百年は生きているであろう大木が目立つようになる。

名のある木ではないのに、抜きん出た存在感。

目を奪われる。

いくつもの大木。
いくつもの幼木。

何か、具体的にはいい表せない何かが、今まで見て来た森とは違う。


濃密な空気に包まれながら、たどり着くは紀元杉。

その手前のモミの切り株に仰天。何と高さ約30mだったらしい。

ビルじゃん。

その左奥、穏やかに、そして強烈な存在感を発する巨木。

幹の太さ、高さ、樹影。
どれをとっても神の気配がする。

それが紀元杉。

近寄って見ると、その長い年月を経た生命力が垣間見える。

色んな木々に寄り添われ、取り込み、一つとなる。
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すごい…



それしか言葉が出なかった。