広島で、見たかった物。

『原爆ドーム』


教科書でしか見た事がなかったし、原爆の威力や被害を、きちんと知りたかった。

来たいとは思っていたけれど、一人で見るのは不安だったから、S氏がいて、良かった。
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近代的なビル陣の中に、原爆ドームはあった。

そこだけ、時が止まっていた。

砕け散った瓦礫や、ひん曲がった鉄の梁、その全てが、当時を語っている。

横に流れる川にも、たくさんの被爆者が流されていたと聞いた。

今では、綺麗に整備され、面影はないのだろう。

たった60年前の話。

色褪せる事なく、私達の胸に突き刺さる。


平和記念資料館を見に行く。

広島の歴史、原爆投下までのいきさつが、詳しく展示してあった。

そして、誰しもが、その恐ろしさを肌で感じる、遺留品の数々。

被爆によって、引き裂かれた衣類、人の、体。


言葉もなく、目を背ける事も出来ず、原爆の脅威を目の当たりにする。


恐ろしい。人の手で、ここまで人を苦しめる物を作る『人』が。


何が正解で、何が間違いか、一言では言えないと思う。

でも、戦争や原爆投下は、決して正解なんかじゃない。


遺留品のほとんどは、まだ年端もいかない少年少女の物ばかりだった。




私は、ただただ、恐怖におののく事しか出来なかった。