海に向かっているうちに、だいぶ日が傾いてきて、眩しい。
今日が終わろうとしてる。
半日くらいだったけど、人と一緒に走る楽しさや安心感がいやというほど分かった。
それもこれも、二人が私に合わせてゆっくり走ってくれたおかげだろう。
人生の半分以上がバイク乗りというベテランテクニシャンNさんと、
カーブで足を擦るほど、度胸バリバリのSさん。
この力量あってこそ。
ちょうど夕日が落ちる前に、『恋人岬』に着いた。
不思議な組み合わせで、恋人たちが手を繋いで歩く中、夕日を眺める。
ここぞとばかりに写真を撮るが、夕日って撮るの難しい。
佐渡は少し雲にかかってたけど、太陽は丸見え。
すっかり海に入っていく。
見る見る沈んでいく太陽は、私たちの別れの合図だった。
次、バイクにエンジンをかければ、もう目的地は違う。
バイクの傍で、薄暗くなってきた空の下、最後のおしゃべりをした。
そして、さっきの神社で、私がトイレに行ってる間にこっそりプレゼントを買っていてくれた。
何よりうれしかった。
やっぱり私は何も出来ないけど、「楽しかった」と言ってもらえるなら、
新潟に戻ってきた事も、本当に無駄じゃなくて、あるべき事だったんだと確信できる。
バイクにエンジンをかけて、走り出す。
本当に、お別れ。
左折する二人、直進する私。
さようなら。でも、またどこか、必ずどこかで会いましょう!!
再び一人。
もうだいぶ暗いけど、峠じゃないから平気。
燃えるように赤い水平線と空の境目を見ながら、とにかく寂しさでいっぱいだった。
相棒、また、走ろう。