待ちに待った電話が来た。



「修理、終わりました」



ついに、また走れる!



昼前にバイク屋に着く。


久々に見た相棒は所々ピカピカになってる。


よく、私の手元に帰って来てくれた。


細かい調整をしてもらい、完璧。



そして、再び、SさんNさん夫婦もバイクで駆けつけてくれた。


相手の社長に挨拶をすまし、バイクに荷物をくくりつける。


すると、バイク屋の店員さんが声をかけてくる。


やはり、バイク好きには、日本一周は眩しい物なんだ。



支度もできた。


甘えに甘えてるけど、またSさんNさんと一緒に行動させてもらえる事に。



豪農の屋敷が見たいという私のわがままから、まずはお屋敷をに向かう。


久しぶりに走った相棒は、まさに絶好調。


クラッチも何だか軽くなってるし、ブレーキの効きもいいような気が…


そして何より、バイクで走る気持ち良さを実感。


流れる景色、稲の匂い、自分の采配で動きを変えるバイク、肩を流れる風。



ああ、これが味わいたくて、バイクに乗ってるんだ…。



しかも、前と後ろに、SさんNさんが付いててくれる。


楽しくて楽しくて、安心出来て、豪農の屋敷まであっという間だった。



ワクワクと門をくぐると、明らかに有料の臭いが…



そっか、そりゃそうだよな…


門の手前から覗き見て、引き返す。



ここからはご夫婦のプロデュース。


私は安心しきって、付いて行きます。