あきらめて国道に戻る。

おや?渋滞してる。


なんだろう?と前を覗くと、事故だ。

車がめっしゃりして、救急車が走って行った。


なんて事。
人事じゃない。


抜け道も分からないし、下手に動くとまた迷うから、
渋滞を待っていた。

前にいた2台のトラックの手前の1台がUターンした。

私は前に詰める。


まだ動きそうにない。

エンジンを止めて待つ。

すると、もう1台のトラックのバックライトがついた。



待てよ、私、死角に入ってる?!



バックしてきた!


ヤバイ!!


急いでクラクションを鳴らそうとしたが、エンジンが切れてるから鳴らないっ!!



あっ、あああああ!!!!

ドシャッ…!!!


ググー ガリガリガリガリ…!!


やられた…!!



後ろの車がクラクションならしてくれて、トラックはようやく止まった。


完全にパニックに陥った私は運転手に向かってヒステリックに怒鳴っていた。

元が事故現場ということもあり、一分もせず警察が来た。


ああ、バイク…バイクが…バイク……壊れちゃった…
パニックで泣きじゃくる私。
体の怪我を聞いてくる警察とトラックの運転手。


体は……平気。足を打ったみたいで少し痛いだけ。
でもバイク…今、何より大事で、頼りにしてるのはバイクなのに…

トラックの運転手は頭を下げてる。

沸き上がる怒り、旅の中断への不安、死角にいた私の落ち度……混乱。



一度もタチゴケしたことのない相棒がここの所二度も倒れてる…

今回は損傷もある。


これは、旅を止めろとの警告なのか…?