荷物を軽くまとめ、テントに残したまま早朝7時、蔵王の本陣へ。
幸い晴れてるから、きれいに見れるかも…と思って登ってたら、
お約束のように真っ白。
朝もやみたいで、太陽は透けてるけど、一瞬あきらめてしまいそうになる。
周りの木々は、立ったまま枯れていたり、葉が一部だけなかったり、環境の厳しさを物語る。
お釜までの有料道路に着いたけど、管理人さんはいない。
一台の車が普通に通っていったから、後をつける。
駐車場に着いても、辺りは白いまま…
と、よーく見ると、風にすごい速さで流されていく。
これ、雲だ!!
雲が、まさに手の届く所を流れていく。
徐々に下の方が見えてきた。
もしかして、晴れるかも!
お釜は、駐車場の裏手にあるから、歩いて行ってみる。
なんて見事…
山を翔る雲、水平線と見紛う雲海、静かに佇むカルデラ湖…
こんな、現実離れした景色が、肉眼で見れることがあるんだ。
ここまで山に歓迎されたのは、初めて。
100m ほど登ったところに、社があって、手を合わせてお礼を言った。
もうお腹いっぱい気味だったけど、さらに進む。
下りに入ると、雲の中に入ったらしくまた真っ白。
見所の滝も真っ白で音しか確認できない。
霧雨まで降ってきた。
あきらめて、Uターン。
やっぱり上のほうは晴れてる。
私、峠は苦手だけど、急な上り坂で、急なカーブだと、
空に向かって走るみたいで気持ちいい。
最高のタイミングで、最高の姿を見た。