鳥目なはずが、視界が冴える。


見上げれば中天付近に霞んだ更待月。


どんどん雲で霞んでゆく。



ハラハラと、今年初めて肌に触れる雪。



次第に増え、空間を埋めていく。



街灯の限られた円の中可視化されて、

舞って舞って、増えていく。


梢や足元から、雨音とは違う、雪が降りる音色が響いてきた。


空気は凍てついているのに、

アルコールによって火照った肌に、心地よく溶けていく。



見上げると、月は煌々と輝いて雲が切れている。


しかし雪は止む様子もない。


季節のページは捲られた。