燕三条ではどうしてもラーメンが食べたかった。
背油と玉ねぎのラーメン。
バイク屋を出てから一目散でラーメン屋に向かった。
途中、ガソリンを入れに寄ったスタンドで、目当てのラーメン屋はこっちであってるか聞いたところ、
とても親身に教えてくれたばかりか、
何故かこのガソリンスタンドで卵を扱っていて、その卵を使った煮卵がおすすめ!と教えてもらった。
岩手ナンバーに仰天されつつ、店員さん二人に囲まれて左右を交互に見ながら旅談義。
笑顔で見送られたそのすぐ先に、お目当てのラーメン屋さんが見えてきた。
10年前に食べた「侍」!
どんな味だったかもう覚えてなくて、でも美味しかったことは覚えてたからまた来たかったんだ!
燕三条の職人さんたちの技が生きるグラス、箸、箸置き、どんぶりで登場。
もちろんおすすめしてもらった煮卵「どろたま」もトッピング。
醤油スープのパンチを背油がマイルドにならしててウマイ!
けどしょっぱめだなぁーと思ったら、太めの平麺が適度な絡みでいい塩梅!
どろたまはもうバツグンに旨かった。スープと合わせてもまんまでもぐーですよ。
聞いてて良かったー!!
食後の空はまだ晴天!まだ崩れる予感はしないけど、少し風が出てきた。
膨れたお腹を擦りながら、宿の方向へ…
思ってたのと違う道にはなったけど何とか宿の方向へ。
その途中、ばかでかい鳥居をくぐる。
遠近感おかしくなったかと思うくらい大きい鳥居の向こうには、弥彦山。
なだらかな稜線が眼前に聳えてる。
そして、徐々に雲が増え風が強くなってきた。
やっぱり今日は荒れるんだ。
弥彦神社にてご挨拶。
かなり大きな神社だけど、わりと新しいのかな?と思っていたら、
威厳に満ちた佇まいのお宮が見えた。
精悍な狛犬が守ってる。
どこからか横笛の音色が聞こえてきて、何故だか涙が出そうになった。
境内には十柱神社もありしめやかな空気。
幹が枯れていながら、新しい枝を伸ばしている神秘的な姿のご神木。
立派な角を持つシカがのんびりしてた。
可愛いけどすごい迫力。
その横に、いろんな種類の鶏がズラリ。
聞いたことのある鳥無い鳥みんなコッコしてて可愛いし、飾り羽が美しい。
どんどん広がる雲が不安を煽り、そのまままっすぐに宿に向かった。
すごい!これで2250円だなんて沖縄のゲストハウス並みだよ。
早速荷物を置いてから、歩いて温泉へ。
歩いたのは失敗だったか?と言うほど急な坂を上ったら、景色が美しいという「よりなれ」到着。
しかし今日の女湯からは展望が望めないとな?
あと少し先から一望できるらしいけど、もう汗だくだし足も棒だからさっさとお湯へ。
先客はおばあちゃん一人。
「連れが来て良かった(一人じゃなくて良かった)」
と一緒に露天風呂へ。
おばあちゃんはとてもおしゃべりだったけど、方言が強くて聞き取れない。
どうしよう、外国語みたいだ…
聞き返すと丁寧に答えてくれるから、何度も聞き返しつつ、勘で答えつつ。ごめんね。
それでも身の上話なんかして、ケラケラ笑ってたらのぼせてきちゃった。
ここのお湯はゴムみたいな匂いで、白い濁り湯。
効く~。
上がったらまたおしゃべり。
身支度の済んだおばあちゃんが「また会うときまで~。」って先に帰っていった。
次また会えるかな。
そんな期待を乗せた柔らかな挨拶。
ゆでダコ顔で上がって、カラカラの喉に牛乳を流し込んでプハーしてたら、
受付のおじさんがえらく笑っていた。
「こんなに美味しそうに牛乳飲むなんて!面白いねー!」
おじさんとまた話し込んじゃったけど、外はもう真っ暗。
やっぱりきれいな景色がみたくて、少し上って見張らしてみると、一面の夜景。
真っ平ら!ロマンチックな眺め。
つか、雨降らないじゃないの。
キャンプ出来たじゃないの。
帰り道、森のなかを通る坂道が怖くて電話しながら帰っていたら明らかに見覚えの無い道に出る。
あれ、ここどこだろう。
歩いてても迷子かい。
電話してるからGoogle先生にも聞けない。
と、空が瞬く。
やばい。迷子なのに雷来た!
電話を切ってGoogle先生に聞く。
分からなかったらこの目の前のでかいホテルで聞こう。
ハラハラしたけど案外近くに宿があった。
空はビカビカと閃光を放ってる。
お部屋に入って一安心してたら、いよいよ本降りのゴロゴロ。
すると、
ビカ!ドゴーン!!
窓が震えるほどの振動。
近くに落ちた。
やっぱりキャンプじゃなくて良かったよ…。
安全な室内でこの雨しのごう。
と言っても明日も雨なんだよねー。