今日は午後から天気が崩れる予防。
明日が曇りでその後は雨、ただし台風により。
今日を逃すと雨と台風で足止めになる。
移動開始だ。
最後に朝風呂を堪能。
このぬるすべのお湯ともお別れか。
荷物をまとめ、パッキングしに外に出るとすでに小雨が降っていた。
急がないと。
しかしテント以外すべて下ろしていたため意外と時間がかかってしまった。
素朴ながら暖かいおかみさんたちと最後のおしゃべりをしていたら雨が上がった。
笑顔で見送られながら、玉勝温泉を後にした。
進路は弘前方面。
真っ直ぐ向かうと八甲田を越えることになる。
雨に当たらないことを祈りながら峠道に入った。
路面が濡れていて走りにくかったけど、幸いまだ雨が降っていない。
数少ない対向車のライトが付いていた。
霧だな…
少し進んで高度が上がると、予想通り。
そしてついに雨が降りだした。
峠で霧に雨。
とても恐い組み合わせだけど、とても幻想的。
牧場が、霧に飲み込まれてるみたい。
かすれ行く牧場の先で牛が草をはんでいた。
牛にとっては霧も大した問題ではないのだろう。
急なカーブ・勾配に、濡れた路面、雨、霧。
下手くそな私は地獄のような時間だった。
幸いだったのはゆっくり走る車が2台、前を走っていたこと。
しばらく進むと、赤く色付いた木々が目立つようになり、視界が開けてきた。
低木が並び、高い木は立ち枯れたようになっている。
何と不思議な眺めだろうと顔を上げると「傘松峠」の看板が。
そうか!八甲田を越えると言うことは、傘松峠を越えるんだ!
何故か思い至って無かった。
始めてここを走った時も、恐ろしさと不思議な美しさに心引かれたんだ。
峠は下りに入る。
集中が途切れてきたのか、ゆっくりのペースでも曲がれなくなってきた。
ちょうど地獄沼の駐車スペースがあったため一旦寄せる。
結構連なってたんだね…
見送ったらすぐ出発。
何しろ雨を防げる場所がない。
少し進むと酸ヶ湯温泉が見えた。
入る予定ではなかったし、この濡れた靴とグローブ脱ぐの嫌。
と、一旦素通りしたけど、せっかくだからと逆戻り。
こんな天気でもさすがの酸ヶ湯、中々の混み合い様。
ひなびた館内、とても素敵だ。
お手洗いすらヒバの良い薫り。
千人風呂に入る度胸がなかった為、玉の湯へ。
浴場は総ヒバ造りで真っ白の硫黄泉。
これぞ温泉!
体の芯が暖まって汗が止まらない。
少し上がって肌が冷えても、中から熱が出てくるみたい。
これは、寄って良かった、大成功だった。
雨の中だって凍えずに走れる。
無事に峠を降りてると雨も上がり、黒石市に差し掛かると、曇天でも鮮やかな稲が目に飛び込んできた。
何でこんなに田んぼって安心するんだろう。
厳しい自然の中から「帰ってきた」。