早朝4:30.
冷え切っている空気。
車通りの少ない4号線。
せっかくすいているのに信号にやたら捕まる。
左側から朝が近づく。
右側には夜が残る。
みるみる変わるグラデーションが、空を塗り替える。
冷えた空気と水分が、地上を幻想世界に変えている。
コンビニにて体を温めるため朝食をとる。
もう空がすっかり明るくなった。
道沿いのマックスバリューにて買い出し。
霧で視界が真っ白。
4号線を離れる。
霧が切れて太陽が見えた。
里山を縫う穏やかな曲線を伝う。
刈り入れられた稲が干されている塊が、人の行列のよう。
鮮やかな黄金色。
標高が上がるにつれてRのきつくなる峠道。
道沿いのキャンプ場に生える巨大な大木群が美しすぎて目を疑った。
すっかり日が昇ったころ栗駒到着。
濛々と湯気を上げている温泉が流れている。
紅葉の山を一望できる露天風呂にて、体の冷えを癒す。
白濁したちょっと臭い温泉。
強烈に眠くなる。
隣の野営場にて昼食。
厚揚げはメインディッシュになりうる器がある。
なぜ、ちょっとしたバーベキューなのにここまで散らかるのか…
気付いたらもう夕方。
急いで撤収して帰路に着く。
日の出からともにあった太陽が沈んで、水浅葱色の空に艶っぽい黄色の月が上がってきた。
妙に色っぽい。
浴衣を綺麗に着た大人の女性のようだ。
次第に明るく輝きだし、表情を変える。
休憩と言う名のおしゃべりをして、各々の家へと別れた。
日の出と日没を通り越した小さな冒険が幕を閉じた。