ずっと行ってみたかった温泉がある。
緑色のお湯に、強烈なゴム臭、ケータイの電波は入らずに冬は雪深いため営業できない山の中の温泉地、「国見温泉」
自炊部が好きなこともあり、是非自炊部で泊まりたいと思っていた。
でもなかなかタイミングがつかめずに宿泊できずにいたから、日帰りで行ってみることにした。
盛岡市から西、雫石方面へ向かう。
なんだか天気が非常に怪しい…と思ったらやっぱり降り出してきた。
丁度道の駅あねっこに差し掛かったので雨宿り。
う~ん、ずいぶんと土砂降りだぞ。
いつだって走り出せば雨が降る雨女な自分が憎い。
無料のあったかいお茶をすすりながら雨が止むのを待った。
雨雲が流れて雨が止んだから走り出したのだけど、なんで私カッパ着なかった?
また降り出すのなんて簡単に想像できるじゃん。
バイク止めれそうなところを見つけるのに手間取ってだいぶ濡れてしまった…バカ。
46号線から看板を頼りに脇道に入る。
今にもクマが出てきそうなクネクネ山道で、雨は止んだけど薄暗くて底知れぬ恐怖を感じる。
7kmとは思えないほどに長く感じた山道を必死に駆け抜けて見えてきたのは国見温泉「石塚旅館」。
その奥に「森山荘」がある。
どっちにしよう。
何となく奥の「森山荘」に行ってみた。
人がたくさんいてちょっと安心。
さっそく雰囲気満点の受付でお金を払ってから、念願だった緑色の温泉へ。
けっこう混んでいる。
ゴム臭がキツイと聞いていたけど、温泉のいい匂い。
バスクリンみたいにきれいな鶯色のお湯。
恐る恐る浸かると、冷えた体にギューンと効いた。
こっれは極楽だ…。
すごい、体にじんじん来る暖まり方だ。
ふとお隣の女性と同時に天井を見上げた。
「雨?」
「ですね」
天井から雨音が聞こえだした。
とても明るくてはつらつと話すこの女性とのおしゃべりが楽しくて、
温泉の気持ちよさと相まって、いよいよここに泊まりたくなった。
またこの人に会いたい。
明日駒ケ岳に登ってまたここに泊まるんだそう。
温泉から上がった私は、その足で明日の自炊部の秋を聞いた。
一室だけ空いてた。
明日、いよいよ国見温泉に泊まれることになった。
そうと決まれば今日はもう帰って支度しよう!
急いで山を下りて家に向かった。
46号線を走り盛岡市についてほどなく、バイクの様子がおかしくなってきた。
渋滞につかまっていると回転数が異常に落ちる。
走り出せば戻っていたが、イオンの前の信号待ちでいよいよエンジンが止まってしまった。
今まで見たことが無い黄色の警告のランプがついてセルが回らない。
「あわわわわわわわわわ…」
パニクっていたけど、何とか歩道にバイクを寄せた。
だめだ、何度やってもセル回んない。なにこれ?
雨に打たれながら半泣きでバイク屋に電話をしたら、救世主が来てくれることに…!
あああ、救いの神様…っ
分かりやすい場所にバイクを押して移動して、雨に打たれながら待った。
明日国見いけなくなったらどうしよう…
寒い…
濡れて気持ち悪い…
いよいよ涙が出てきちゃう。心細くってたまらない。
颯爽と登場した救世主(バイク屋さん)はサクサクと調べて、バッテリーを交換してくれた。
エンジンかかった。
しかもバッテリー中古だからって無料でくれた。
神よっっっ!!!
バッテリー変えただけでほかの部分の不調も治った。
これで安心して明日国見温泉に行ける!!!
バイク屋さん本当に本当にありがとうございました。