目的地には、なんと予定時刻ぴったりに着くという奇跡が起きた。
すごいぜ。200kmの移動だったのに、私やるじゃないか!
本日15:00に予約通りチェックインを済ませたのは、鳴子温泉「姥の湯」
正面の旅館部で受付をした後、裏手にある自炊部へと向かう。
おらワクワクすっぞ!!
鄙びた温泉最高だぞ!!!!
今日のお部屋は、駐車場に向かっている東十二号室。
日当たり最高、必要最小限の畳のお部屋。
ぐおおおお!なんて素敵なんだああああああ!!!!
荷物を降ろしたら、腰を落ち着ける前にぶらぶらと温泉街へ。
「姥の湯」からは急坂を上らねばならず、とてもキツかった…。
お土産屋さんや商店が並ぶ昭和感満載の素敵な温泉街。
「温泉卵」の文字発見!温泉卵大好きだ~。誘われてふらりと商店の中へ。
お店のおばあちゃんにけっこう日持ちすると教えてもらったので今夜用の他に会社のお土産にも買ってみた。
帰りしな、この商店に来る前に買い込んだアサヒスーパードライ500ml×6を見たおばあちゃんが
「上質なたんぱく質だから、お酒飲む前に食べるといいよ~」
分かりました!!酒の前にいただきまっす!
お買い物がすんだからいよいよ温泉へ。
姥の湯はなんと源泉が4つもある!
どこに入るか非常に悩むが、ここは大好きな硫黄泉「こけしの湯」にしゃれ込むとする。
真っ白な濁り湯。硫黄の匂いもしっかりしていてまさに温泉!と言う感じ。
汗もかいたし緊張して走ったから体ががちがちだったみたいで、もう、もう極楽だった…。
しばらく貸し切り状態で首まですっぽり浸かって堪能していたら、子連れの母子が脱衣所に入ってきた声が聞こえた。
すると、子(男の子)が浴場の扉を開けて中を覗き、そして扉を閉めた。
以下脱衣所から聞こえた会話。
子「ねえ、男の人がいるよ!」
!?
母「そんなわけないでしょ?」
子「男の人だったよ」
母浴場を覗く。
母「男の人いないよ」
全部丸聞こえなんだけど…
う~ん、それにしてもなぜこうも男に間違われるのだろう。
いったいいつになれば男に見られなくなるんだろう。
母子が入ってきたので、お風呂から上がった。
服を着ていた時に聞こえた声。
子「やっぱり男の人だったよ」
私は無言で脱衣所を後にした。
温泉は効能抜群だったみたいで汗がだらだら。
風呂上がりのビールが旨いことよ!
気持ちよくなってしまったのでお布団引っ張り出してちょっと横になった。
夕方前、今日の主役が到着した。
旅仕様にパッキングされたスーパーフォア。かっこいい~!
別々の旅の途中のミサトちゃんと、今日だけ合流したのだ!
パッキングが崩れてビニール袋が垂れ下がっているのは御愛嬌。危ないところだったけど…。
姥の湯の自炊部を見たとたん感激していた。好みが同じっていいわぁ!
お互いにその土地の特産を持参しようと言っていたのでさっそく広げる。
ミサトちゃんは今日が出発日だったので地元のものなんだけど、岩手県人の私も知らなかった地ビールやメンチカツでセンスのよさを惜しげもなく見せつけた。
私は先ほどの鮎のから揚げがここで解禁。他山形の玉こんにゃくや宮城のかまぼこ、
さっきの温泉卵。
でさっそく乾杯!
久しぶりに旅人の顔で会う二人。
ここまでの旅のお土産話、今日からの旅の期待と不安。
なんとワクワクする夜なのだ!
お部屋にいるのも楽しいけれどせっかくなので温泉街へ散策へ出かけた。
旅館部には提灯に明かりが入り、旅情満点。
宿の下駄をカラコロ言わせながら人気のなくなった温泉街をふらふらしていたら足湯発見!
わーい浸かろう浸かろう!って、あっつい!!!これ火傷するって!
そしてタオルを持ってきてないぞ…。
ビシャビシャなまま下駄をはいて、なんだか高級そうなホテルへ入ってみたら、
「おかえりなさい!」
とホテルマンに笑顔を向けられてしまい二人とも挙動不審に。
いや、ちょっと売店に…もにょもにょ。
お土産買ったりしつつ、ミサトちゃんがおいしそうな牛タン発見して買ってくれた。
さっそく宿に帰って調理する美里ちゃん。
こうゆうのができるところが自炊部の素晴らしいところだと思います!
フライパンから直食い。うわ!すんごいおいしい!
時間を見ると、露天風呂「啼子の湯」が女性の時間帯。行かねば。
これがまた素敵だった。
箱庭みたいな雰囲気で、まさに温泉、露天!と言う感じ。
入った瞬間は熱いと思ったけど、浸かりきってしまうととても気持ちいい。
こちらのお風呂も効能抜群なようでのぼせてしまった。(お酒のせいかも)
そして致命的なミス。タオル忘れた。ありえない。
しかし不思議なほどにお湯切れがすごく良くて、拭かなくてもすぐに乾いた。
戻ってからも酒盛りを続ける私たち。
せっかくだからバイクのそばで飲もう!ってことになって、お互いの相棒に腰かけてビールを飲んでたが、なにこの青春。
テンションはどんどん上がっていく。
比例してビールもなくなっていく。
あれだけ用意したはずのビールが底をつきそうになり、私たちはビールを求めてまた温泉街へと向かった。
いよいよもって私たちしかいない。
肌寒さの残る夜、開放的な気持ち、足元で響く下駄の音。
何もかもが特別な夜。
しかしビールはどこにも売ってなかった。
というか店が一つも開いてなく、自販機もなかった。
明るさに引き寄せられるように鳴子駅に行ってみたがもちろんなかった。
駅員さんに聞いてみたけど、「ちょっとわからない」と言われた。
駅の前にはこけし。
でもビールは無かった。
探し回って足が棒になったところで、先ほど牛タンを買ったホテルが明るかったので行ってみた。
出迎えてくれたホテルマンに事情を話したら、自販機を教えてくれて、ビールを入れる袋までくれた。
親切だった。
棒だった足は若干の軽さを取り戻して宿に戻った。
体が冷えたので、「義経の湯」へ。
冷えたせいか尋常じゃなく熱い。
何とか入ろうとチャレンジしたが、無理だ・・・。
あきらめて「亀若の湯」へ入った。
鉄の匂い。温度もちょうど良くて、体がすごい暖まり方をしてびっくりする。
汗噴出します。
一つ熱くて足しか入れなかったけど、これで全部の源泉入れた!
その後飲み直していたが、夜がだいぶ更けていて、あまりしゃべるのも迷惑だろうと再びバイクのそばへ向かった。
雨が降り出していた。
私たちはいつも雨だ。
楽しくて楽しくて時間が過ぎるのがうらめしい。
今日は早めに寝落ちしちゃうかもと思ってたけど全然眠くない。
気付くと時刻は日付を回ってかなり経っていた。
降り出した雨とふける夜が相まって一段と気温が下がってきた。
もっとこの夜を堪能したいけれど、今は旅の途中。
私たちは布団に潜り込んだ。