勢いよく京都市内を駆け抜けて、大津方面へ向かう。
今から大の苦手な高速、しかも橋を渡る。
すでに緊張していて足が地に着かない。
しかも、何かお腹痛い…。
普段からお腹とっても弱いし、常に下し気味なんだけどいつもと少し違うような…?
連日飲んでるから当然だな。
とりあえず大津に向かう途中でコンビニへ寄って出せるもん出して、水分補給して、
雨は降ってないけどカッパを着込む。
高速走行の風対策と、もし仮に転んだりしたら、一枚でも衣類は多い方がいいもんね。
しっかり身支度をして、気持ちを落ち着けた。
「よし、行くよ相棒。」
大津インターから高速参戦。
いつもいつも加速しきれずに合流してて怖い思いしていたのだけど、今回はとてもスムーズに入れた!
コツ分かった!ギアは限界まで低くしとけば、シフトチェンジした後も鋭い加速を維持できる!
本で読んではいたけど、エンジンの回転数上げ過ぎるのが怖かったんだ。
でも相棒は思ったよりタフだった。
スピードの乗った走行に徐々に慣れてきていた私は、高速道路でもその成長をいかんなく発揮。
相棒のポテンシャルを引き出せるオーナーになれてきたんじゃないの~?
なかなか好調。このまますんなり行ければいいなあ…。
ジャンクションでの乗り換えは、いやというほど復習していたので絶対大丈夫!
まずは草津JKで新名神へ。
そこでまたしても風の神様がご機嫌ななめ。
左右交互に吹き荒れる風。
グっと構えていると反応が遅れて車線を跨ぎそうになる。
そのたびにまだ起きてもいない事故がまるで現実のように頭に浮かんだ。衝突音まで鮮明に。
これは、高速降りた時には白髪になっているのではないだろうか…。
助かったのは、長~いトンネルがいくつもあった事。
目が回るしボーっとしてしまって苦手だけど、風が無いだけでこんなに走りやすいのか!
で、油断してるとトンネルを出た瞬間に強烈な横風に叩かれると。
もう、高速降りてしまおうか…。命がいくつあっても足りないんじゃなかろうか…。
早くもめげて来たところで、だんだんと速度が落ちてくる。
渋滞である。
「助かった…」
風の強い間は渋滞しててくれればいいなあ。
それにしても進まないなあ。
そろそろまたジャンクションがあるはず。
おとなしく渋滞に巻き込まれている私の横を、何台ものバイクがすり抜けしていく。
え!高速でもすり抜けしていいんだ!
ちょっとキョロキョロして様子を見てみたけど、やっぱり怖くてできなかった。
一度流れ始めたら、割とすんなり渋滞は抜けたけど車は多い。
風は収まらず、流れに乗っているのがやっと。
いくつかのジャンクションを間違うことなく通過。
そしていよいよ来ましたよ。
人生で最大の恐怖を味わう事になった『伊勢湾岸自動車道』
目的地まで最短だから…という理由だけで選んだ事を、心底後悔した。
海が見えて「ついに来たか…」と腹をくくったが、初めはガードレールもあったし意外と平気だった。
しかし前方にとてつもなく大きな人工物が見えてきた。
何だろうあれ、すんごいなあ~。とのんきに見てた。
電光掲示板には「横風注意!50km規制」。
50kmで走らせてくれるの?なら横風もきっと大丈夫だ。
のんきだった。
近づいてくる人工物は、巨大な巨大な橋だった。
ままままさかこれ通るの?!
慄いているうちに突入。
横から海丸見え。
誰も50km規制なんか守ってない。
風!風!やめろ‼
息が止まった。
多分心臓も何度か止まった。
正直何度もおしっこ漏らしそうになった。
橋は渡り終えても次から次へと現れる。
「もうやめてええーーーー‼‼‼‼‼‼‼」
3つ目ぐらいの橋に入ったあたりで、泣きながら叫んでいた。
下半身にうまく力が入らなくて、腰を抜かす寸前。
「し、死ぬ、死ぬ、」がリアルに出てきた。
負担デカすぎるから何度も降りてしまおうかと思ったが、「この橋が最後かも」と思って走り続けた。
が、全然最後がこねーし!
PASAも全然見当たらないし!
体力気力共にレッドゾーンで点滅してて、おそらく10歳は老けた。
私頑張ったよ…
橋の応酬を乗り越え、燃えカスのようになりながら、刈谷ハイウェイオアシスへ滑り込んだ。
バイクから降りたら、足変形したんじゃないかってくらいガニ股になってて戦いのすさまじさを噛み締めた。
震える手でたばこを吸いながら、今日再会する友人に連絡。
「豊田東で降りて。迎えに行きます。」
後20kmくらい。
近い!
ちょっと休憩して、またしても出せるもん出して、豊田東へ。
風が強くてももう平気。
嘘でした。
間違わずにちゃんとインターを降りて、待ち合わせ場所の高架下に到着。
まだガニ股や…。
時間差2分くらいで待ち合わせ場所に来てくれたのは、
屋久島のとまり木 で出会い、夏休み美ら島 の途中で再会、さらに2度も盛岡に遊びに来てくれた、
ケニーさん!
さあ!今夜も宴が始まりますよ~☆