雨に打たれながら、京都市内を抜け滋賀方面へ。
クネクネの登り道。
ただでさえ走りにくい道なのに、濡れて難易度上がってる。
ここよりさらに難易度が上がるゲートをくぐる。
『比叡山ドライブウェイ』
有料なので、ここからはハギーさんにタンデムさせてもらい一台分の料金で向かう。
濡れた路面でヘアピンの如し峠道を、さすがの兄貴はスイスイ進む。
私は後ろでヒーヒー言うだけの小心者。
一瞬、白く霞む琵琶湖の姿が見えた。
うっすらしていたのがまた幻想的で、格別に美しかった。
靄のかかる中に到着したのは『比叡山延暦寺』
絶っっっ対に見たほうがいい!と力説されて、雨にもめげずに来たのだ。
比叡山も、お山にたくさんのお堂があり、一つ一つ歩いて見る。
ただ、カッパがダダ漏れだったハギーさんが弱っているので、マイペースにゆっくり回る。
遠目からでもその巨大さに目を疑う建造物『大講堂』

桁が違う。
ご本尊は、大日如来。
その左右に、十一面観音菩薩、弥勒菩薩が祀られている。
横には各宗派の開祖の木像が並んでいて、
上を見回すと、お釈迦様や高僧の肖像画がズラリと飾られている。
圧倒的。

先ほどから大講堂の前庭にある鐘楼(開運の鐘)が美しい音色を奏でているが、
参拝者は鳴らすことができる。
私も例に漏れず、鳴らしてみた。

「ゴ~~~ン…」
音の波紋が広がって、音を浴びているみたい。
雨と相まって、しめやかな空気が醸し出されている。
こちらも、その大きさに度肝を抜いた『阿弥陀堂』と『法華総持院東塔』
朱色の柱と漆喰の白い壁が鮮麗。
まるで竜宮城みたいだ…。
『阿弥陀堂』というだけに、ご本尊は阿弥陀如来。
大きくて、金色の美しいお姿。
表情が、何とも言えず優しげで、しばらく目が離せなかった。
整えられた枯山水の庭には、『水琴窟』
静かにしゃがむと、ささやくようにほのかに聞こえる水滴の声。
ガムランの様な流麗な音…
落ち着く…。自分の家にも欲しい。
下って行くと、割と新しい『萬拝堂』
燦然と輝く十一面千手観世音菩薩!
グルリと囲む肖像画は十三番神。
珍しく、仏像の後ろ姿も見ることができるので、非常に興味深い。
そして、いよいよ来ました。
ここを見ずしてなんとする『根本中堂』
その規模や、圧巻です。
靴を脱ぎ、一歩入ると中庭を囲む見事な廻廊。
計算されつくしたであろう立派な枝ぶりの庭木。
廻廊を回って、どの角度からでも美しい。
本堂の中は薄暗く、明らかに空気が違った。
私たちが立ち入ることができる『外陣』より数メートル低く、床がなく洞窟の様に土間の広がる『内陣』。
ここに、仏像が祀られている。
1200年前から途切れることなく灯っている『不滅の法灯』が、ぼんやりと仏像を照らしている。
もうね、異世界。
内陣と外陣の間に、見えない結界が張ってあるようだ。
ご本尊は秘佛薬師如来。
薄暗い上に、視力が落ちていてよく見えなかったのに、オーラ?気配?は確かに届いていた。
だいぶ歩いたから、弱っていたハギーさんと、弱ってきた私は、とりあえず一休みにお茶屋さんに入った。
弾力もっちりの、黒蜜で甘~い。
疲れた体に極上のご褒美。
英気ちょっぴり養って、再び京都市内へ帰ってきた。
もうすでに結構な時間。
でも、ゆっくりじっくり見れて良かった…!