飲み過ぎずに朝から活動するはずが、失敗。


大失敗。


気持ち悪くなるのも、頭が痛くなるのも分かっているのに、


何故懲りないのか。何故繰り返すのか。



それはね、飲んでる時が楽しいから‼



後悔もすさまじいが凝りなさの方がすさまじい。


バカと酒飲みにつける薬はない模様。



ダウナーな私と対照的に今日の天気はハイアッパー。


ギャヒー、灰になりそう…。


眩しい眩しい!暑い暑い!でさらにぐったり。


運転もできないし何より具合が悪いので、もったいないことこの上ないが座り込んで動けない。


昼くらいにようやく復活して、京都に来たら絶対行こうと思っていた『伏見稲荷大社』へ。


ハギーさんに「運転上手くなったよ~」と見栄を張ってしまったが為に、またまたタンデムする事に。


「ま、まかせて!」と言ったものの、顔はこわばっていたに違いない。


タンデムって命預かるから、非常に緊張する。


しかも京都都会だし。


怖々出発。


GW真っ只中で道は混んでいたけど、極力すり抜けは無し!…というか怖くてできない。


やべ、S字カーブが迫っている。


上半身の力を抜いて、いつも通りに行くのだ。


減速して侵入、立ち上がりでアクセルを開いたところで、タンデムシートから拍手が聞こえた。


「上手くなったでしょ?!」


ビビっていたのは内緒にしておこう。



道を間違えそうになりながらも何とか伏見稲荷付近へ着いたが、

渋滞しちゃってまるで進む予感がしないので、バイクを停めて歩いて向かった。


すんごい人、すんごい日差し。


少しぐったりしながら歩いていくと、巨大な朱色の鳥居が目に飛び込んできた。




すごい…。なんて規模だ。


鳥居をくぐると、鮮やかな楼門を精悍な狐が守っている。




楼門を通る人を見定めるかのように、こちらを向いている。



ドキドキする。



本殿もまた、朱色が煌びやかで美しい。




まずはご挨拶して、いよいよ稲荷山に入る。



『伏見稲荷大社』をたとえ知らなくとも、ここは誰しも知っているだろう『千本鳥居』。


圧倒的な空気。


この世との境目のようだ。




まさに神域。


鳥居の一本一本に奉納した方や企業の名前が書いてある。


一つ一つに思いがこもっている。


ちなみに鳥居のサイズが大きくなるほど金額は高くなるのだが、一番大きな鳥居は誰しもが知っている超大手企業だった。



参道は階段だったり、坂道だったりで、徐々に、しかし確実に体力が削られていく。


さらに、渋滞するほどの人の数。


気力もどんどん削られる。


幸い山道なので、木々が日差しを遮ってくれていて首の皮一枚で繋がっている感じ。


ううむ、足と尻が締め付けられるようだ。


それを見越してか、要所要所でお茶屋さんがある。


これがまた雰囲気満点で素敵。



ちょいと呼ばれましょう。


二日酔いだったから何も食べてなくて腹ペコだもの。


ここはやはりきつねうどんでしょう!


京風の薄味のお出汁は優しくて、なのに油揚げはしっかり味がついていて、今の体調にぴったり。


うまいねええええ!


少しゆっくりしてから再出発。


目の前には森厳な異世界が広がっていた。


 

苔むした祠。たくさんの鳥居。和蝋燭が轟々と燃えている。


この世ならざる霊気にざわざわと心が揺らぐ。


もうここは人のそれでどうにかなる世界では無い、と否が応でも感じてしまう。


不敬があってはいけない予感。



いくつもの神蹟や塚、祠。


そして延々と終わらないかのような階段。


残存体力はすでに半分以下。


けれど、せっかく来たのだから、頂上の『一ノ峰』まで行きたい。


汗でゴダゴダになりながら、必死に登ってたどり着いた。


 

ここが最高峰。


覗き込むこともはばかられる、ただならない空気を醸し出している。


ハギーさんは和蝋燭を奉納していた。


ここからは下り。


下りのほうが足に来る。


歩き出してすぐに二人とも膝が笑い出すが、まだまだ参道は続くのだ。




奥まで広がっている霊場は、生い茂る木に守られて涼しい。


ふと、脇に何かの気配がしたので行ってみると、お水だ!



御神水が降り注いで、一帯はふかふかの苔で埋め尽くされてる。


どこからかカエルの鳴き声。


ここだけ世界が閉じている。



どんどん下ってやっと拝殿に出た。


時間はすでに夕方前。


他にも見たい所があったけど、いかんせんお寺さんばっかりで、着く頃には閉まってしまう。


しかも、飲み過ぎのあおりかちょっと具合悪い…。


日陰に腰かけてこの後どうするか唸って考えていたけど、とりあえず二条城に寄ってボーダーに帰る事にした。


バイクを走らせ、間違いそうになりながらも二条城には17:00前に到着。


間に合ったーーー‼と思ったら、なんと16:00までであった…。


前来た時も時間間に合わなかったんだ(泣)


仕方ない。帰りましょう。